世界レベルで異常な暖冬、今年1月は「史上最も暑い1月」に

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米国海洋大気庁(NOAA)の発表によると、2020年の1月は過去141年の観測記録において、これまで最も温暖な1月になったという。

NOAAによると今年の1月は、信頼度出来る気象観測データが残されている1880年以降の1月で、最も平均気温が高かったという。

今年の1月の気温は20世紀の平均から1.14℃上がり、2016年1月に記録された過去最高記録からさらに0.02℃高くなったという。

NOAAが発表したデータは世界の陸地と海洋の表面温度の平均を割り出した数字だ。ロシアやカナダなどの高緯度の地域ではインドネシアなどの低緯度の地域より、高い平均気温が観測されたという。

最大の気温上昇が確認された地域は、ロシアやスカンジナビア、カナダ東部だったという。これらの地域では20世紀の1月の平均に比べ、5℃も温度が上昇していた。一方で、アラスカ州とカナダ西部では気温が低下していた。

NOAAが公開したマップでは温度が上昇したエリアは赤で、低下したエリアは青で示されているが、地球の大半が赤で色づけされていることが確認できる。気温の上昇はポジティブな効果とネガティブな効果の両方をもたらしている。下記にその一例をリスト化してみよう。

温暖化のポジティブな効果


・高緯度の地域では温暖化により、居住可能なエリアが広がった。
・冬の間の暖房のコストが低下した。
・作物を栽培可能な期間が伸びた。

温暖化のネガティブな効果


・海面上昇による洪水の増加。
・感染症を媒介する蚊などの害虫の増加。
・永久凍土層からのメタンガスの放出による、さらなる気温上昇。
・気候変動による干ばつや洪水、山火事、ハリケーンの頻発。

気温の上昇が続く中で、大切なのは様々なデータを注意深く観察し、それがどのような結果につながるかを予測することだ。人類はこれから訪れる変化になんとか対応していかねばならない。

編集=上田裕資

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