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2015.04.03

好調な米・住宅販売 リーマンショック以来の数値を記録

Andy Dean Photography/ Bigstock.com



 3月24日発表の米商務省月例報告によると、米国の今年2月の新築一戸建て住宅購入件数は前月比7.8%上昇。7年ぶりの高水準となった。

 2月期の購入件数は53万9000戸(季節調整済み年率換算値)。昨年同期の43万2000戸を24.8%も上回り、22008年2月以来の好調な数字だ。

 商務省の新住宅購入データは、毎月の新築住宅の購入契約数を示すもので、経済専門家らはこれを参考に国内経済の状態を観測し、住宅購入により必要となる家具や電化製品などの消費予想を立てる目安にしている。

 この報告書は対象枠が非常に狭いことや誤差が15%前後もあることが欠点ではある。しかしながら今回の数値は、経済ニュース配信会社「ブルームバーグ」が専門家を対象に事前調査した2月期の購入予想件数の46万2000戸を大きく上回るものとなった。

 人気の経済ブログ「予想される危険性(Calculated Risk)」を提供するエコノミストのビル・マックブライド氏は、「今回のデータを見る限り、2015年は経済的に素晴らしいスタートを切ったことが分かる」と話す。

「米国国勢調査局は、2015年2月までの新築住宅購入件数は8万1000戸(NSA=季節調整前)と発表した。これは昨年同期の6万8000戸(NSA)から19%も増加。今後6カ月は通常NSAベースで、一年間で最も購入数が伸びるため時期尚早であるが、今年の住宅市場は顕著なスターを切ったといえるであろう」とマックブライド氏は述べている。

 2月期に販売された新築住宅の中間価格は27万5500ドル。平均価格は34万1000ドルだ。2月末の住宅在庫は21万戸。現在の販売ペースで計算すると、消化には4.7ヶ月を要することになる。

 これとは別に、全米ホームビルダー協会が月曜日に発表した2月期の中古住宅の販売件数は1.2%の増加。同月期の新築住宅の着工数は前月比で17%の下落だった。この背景に、2月は非常に厳冬の天候に見舞われたことがあるとみられる。月期の2ポイント下落の53ポイント。このポイントは、50台以上でビルダーらが市場での信頼感に自信を持っていることを示す。

 昨年11月から新築住宅の購入ペースは徐々に回復傾向にある。


新築住宅戸数(季節調整済み年率換算値)
2015年2月:539,000戸
2015年1月:500,000戸(修正後)
2014年12月:479,000戸(修正後)
2014年11月:479,000戸(修正後)
2014年10月:469,000戸
2014年9月:456,000戸
2014年8月: 448,000戸
2014年7月: 399,000戸
2014年6月: 409,000戸
2014年5月:458,000戸
2014年4月:413,000戸

文=エリン・カーリー(Forbes)/ 編集=上田裕資(Forbes JAPAN)

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