しかし、この車両のオーナーズクラブ「Cybertruck Owners Club」のデータによると、2月18日時点で、サイバートラックの予約件数が約53万5000台に達した模様だ。1日あたりの予約は約6000件に達している。
さらに興味深いのは、テスラの米国の公式サイトからサイバートラックのリンクが、現在消されており、カナダやフランスではアクセス可能となっていることだ。オーナーズクラブによると、彼らはサイバートラックの予約ナンバーから、注文件数を把握しているという。
サイバートラックは大胆すぎるデザインのため、万人受けする車とは思えないが、53万5000台という数字は、モデル3が2017年に5カ月かけて達成した51万8000台を上回っている。筆者は以前の記事で、サイバートラックが特に米国の西海岸の人々に人気だと分析したが、この車両は多くの人に受け入れられたようだ。
米国の公式サイトからリンクが消された理由としては、テスラが想定していた予約台数を上回ったためとも考えられる。サイバートラックがここまでの支持を集めたことは、他の自動車メーカーにも影響を及ぼすかもしれない。これほど風変わりなコンセプトの車両が、ここまでの支持を集めたのだ。
さらに、テスラのやり方を真似て、発売前の車両の予約注文をウェブサイト上で受け付ける動きも広がるかもしれない。
フォルクスワーゲンが新世代のEV(電気自動車)としてアピール中の「ID.3」は、英国で、発売から2日間で完売となった(ただし、初期に用意されたのは1500台のみだったが)。
電気自動車の情報サイトElectrekによると、サイバートラックを予約した人のうち、廉価版の4万ドルのモデルを選んだのは、わずか17%だったという。大半の人々は5万ドルからスタートする上位モデルを予約している。
ただし、ここで指摘しておきたいのはサイバートラックの予約にあたり、顧客が支払うのは100ドル(カナダでは150ドル)のみであることだ。しかも、この予約金は払い戻しが可能だ。予約した人々が全員、実際に5万ドルから8万ドルを支払い、この車を入手するとは限らない。
しかし、それにしてもごく短期間で53万件を超える予約を、サイバートラックが獲得したことは非常に意義深い。