一流アスリートのように脳を鍛える6つの方法

John J. Kim/Chicago Tribune/Tribune News Service via Getty Images

シンドラ・カンフォフは、米アメフトチーム「ミネソタ・バイキング」の選手たちを4年間にわたり指導してきたトップ脳トレーナーだ。チーム全体にメンタルコーチングを提供するほか、選手の一部とはマンツーマンでの指導も行う。カンフォフが教える原則は、ビジネスの成長にも応用できる。ただそれには「グリット(やりぬく力)」が必要だ。

「私が一流選手にグリットの鍛え方を教えているミネソタ州立大学が昨年行った調査では、一流選手の全員が、大きな逆境を乗り越えて今いる場所にたどり着いたと回答した」とカンフォフは語る。カンフォフは9年に渡り同校のアメフトチームにメンタルトレーニングを行ってきた。

カンフォフはグリットの定義として、書籍『やり抜く力 GRIT』を著したアンジェラ・ダックワースの「長期目標に向けた情熱と忍耐」という説明を好んで使っている。書籍『Beyond Grit: 10 Powerful Practices to Gain the High Performing Edge(グリットを超えて 高いパフォーマンスを得る10の方法)』の著者でもあるカンフォフは、人は思考の強さと目的意識を鍛えれば、新たなレベルのポテンシャルを解放できると信じている。

カンフォフは、コーチングを提供するスポーツ選手とビジネス経営者の両方に対し、以下のアクションを勧めている。

・過程に集中する


「過程には、目標もしくは最高地点に達するまでにする必要がある、あらゆる小さなことが含まれる。世界トップレベルの人々は集中力の95%を過程と現在に集中させる。結果や将来に注意を向けるのは、モチベーションと活力を保つためだけだ。私はこれを95/5%ルールと呼んでいる。結果について考え過ぎると、不安やストレス、プレッシャーを感じるからだ。現在と過程に集中しておけば、どんなことでも可能だし、望む自分になれる」

・気持ちを素早く切り替える


「一流選手は、失敗については短期記憶、成功については長期記憶を持つ。素晴らしい瞬間はしっかりと味わって完全に体験し、失敗した時には気持ちを素早く切り替える。私はこれを『Learn and Burn(学び、燃やせ)』と表現している。失敗から学ぶことは必要だが、その後はすぐにその失敗を燃やす、つまり手放して、自信を守りモチベーションとエンゲージメントを保つべきだ」
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編集=遠藤宗生

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