ヘンリー王子夫妻は2019年、英国知的財産庁(UKIPO)に書籍や雑誌、文具、衣類をはじめ6つのカテゴリーに分類される約100の製品・サービスについて「サセックス・ロイヤル」の商標登録を出願した。英国では同年末にすでに、出願が公開されている。夫妻は世界知的所有権機関(WIPO)にも商標登録を出願しており、オーストラリアやカナダ、米国、欧州連合(EU)加盟国でも商標権を取得したい考え。
商標権を取得した夫妻のブランドの製品・サービスはすべて、慈善活動の目的で使用されることになるという。ファッション業界が専門のデータ分析会社、英エディティッドのディレクターは、「基本的な問題となるのは、夫妻のチームが“慈善活動”の要素と商業的な利益のバランスをどのように取っていくかという点にある」と指摘する。
また、英国内で高級品ビジネスを手掛け、ナイト爵を持つ父親がウィンザー城内に住み王室のために働いているというある人は、匿名を条件にこう語っている。
「…どのようにして、収益を得ながらそのようには見せないようにしていくのか、興味深いところだ」
「“王室の価値”を維持するためには、一般の市民と潜在的な顧客の双方に十分に関与し、慎重にそれらのバランスを取っていく必要がある」
これに対し、PR会社の米プロフェタ・コミュニケーションズの創業者は、次のように話す。
「米国人から見れば、これはロマンスと米国人的で粋な自己決断という2つの絶妙な取り合わせだ。サセックス・ロイヤルというブランドがヘンリー王子の妻と息子への愛から生まれたものだということに、注目しない北米の消費者はいないだろう」
英国では先ごろ、エリザベス女王は王室を離れたヘンリー王子夫妻がブランド名に「ロイヤル」を使用することを禁じたと報じられた。すでに出願している商標登録がどうなるかなどについては、現時点では不明だ。