税金に関する記事を中心に執筆 モットーは「厄介な税金、知れば有益」


しかし研究によると、結論はシンプルかもしれない。電子タバコは弾力的な商品だということだ。つまり、電子タバコと従来型タバコは、実用上は置き換え可能なので、従来型タバコにかかる税金が引き上げられれば、電子タバコの売上は増える可能性があるし、電子タバコ税が引き上げられるのに伴って従来型タバコの売上が増えるかもしれない。

現在、全米50州の半分近くが電子タバコ税を導入しており、それによって電子タバコは大幅に値上げされた。米議会も、独自に電子タバコに連邦税を課す法案を検討中だ。そうした動きを不安視するのが、ジョージア州立大学の経済学者マイケル・ペシュコ(Michael Pesko)だ。「私たちの見積もりでは、電子タバコ税が導入されれば、電子タバコのポッド1つが売れなくなるたびに、従来型タバコが6.2箱購入されることになる」とペシュコは述べた。

「電子タバコの蒸気吸入に伴う病気は、公衆衛生上の懸念事項だが、従来型タバコは現在も、毎年48万人近いアメリカ人の命を奪っている。また、電子タバコのほうが毒性物質の含有量が少なく、妊娠していない成人にとっては安全性が高いという結論は、複数のレビューで裏づけられている」と、今回の研究チームの一員で、ボールステイト大学ミラー・カレッジ・オブ・ビジネスの経済学教授エリック・ネッソン(Erik Nesson)は述べている。

米疾病管理予防センター(CDC)によると、アメリカでは2017年に電子タバコを使用した成人の割合はおよそ3%だった。電子タバコ(ベイプ)の利用者がさらに急増しているのがティーンエイジャーだ。高校生による電子タバコ使用割合は、2019年におよそ27.5%となっている。

電子タバコは、蒸気吸入が及ぼす健康への悪影響が心配される一方で、有害物質の含有量が少ないため、奇妙なジレンマを引き起こしている。電子タバコを長期間にわたって使用することによる影響の全貌がまだわかっていないのに、電子タバコの税率を引き上げれば、喫煙者は単に従来型タバコを吸うようになってしまう。

とはいえCDCは、従来型タバコを「予防可能な死の主要因」と断定している。それでも、電子タバコを増税する価値はあるのだろうか。この問題は今後も、議会が電子タバコ関連の規制政策を立てていくなかでカギとなっていくだろうと、研究チームは考えている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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