2019年、ブルークレストの資産運用のリターンは、経費控除後の純利益で53.5%となり、プラットはおよそ20億ドルを稼いだ。状況を知る情報筋の話によれば、ブルークレストのリターンの大部分は、2019年に急騰した株式の売買から生まれたものではなく、2019年はじめの大量の長期債券ポジションに由来するものだという。
ブルークレストは、顧客資産の運用をやめて以来、きわめて良い業績を残している。プラットが連勝する一方で、多くのヘッジファンドは苦難の時期を送っている。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によれば、2019年におけるヘッジファンドの平均リターンは10.35%で、2019年の米国株式市場の31.5%というリターンに比べると、あまり思わしくない。これに関してプラットのコメントは得られなかった。
近年では、伝説的なヘッジファンド経営者の多くが、フラストレーションを経験して事業を畳んでいる。たとえば、2019年には、億万長者のルイス・ベーコン(Louis Bacon)が、大規模なマルチマネージャー・ヘッジファンドを閉鎖し、「ここ数年のファンドの残念な結果」に言及した。
そのほか、レオン・クーパーマン(Leon Cooperman)、ジョン・グリフィン(John Griffin)、リチャード・ペリー(Richard Perry)といったヘッジファンド界の大物も事業を清算している。
ブルークレストは、かつてはヘッジファンド業界屈指の大企業だった。イギリス出身でJPモルガンのトレーダーだったプラットは、2000年にブルークレストを設立。管理資産は350億ドルにまで成長した。同社のトレーダーチームは、幅広い市場を跨いだ高速取引を専門としていた。