この市場では、中国の競合メーカーが急速に追い上げている。
調査企業Strategy Analyticsの最新レポートによると、昨年の世界のスマートスピーカー出荷台数は1億4690万台に達し、2018年から70%の増加だった。そのうち、昨年第4四半期の出荷台数は5570万台だった。
この分野で急激な成長を遂げたのが中国企業で、特にアジア市場でシェアを拡大した。バイドゥやシャオミは、前年同期比でそれぞれ171%増と167%増を記録し、アマゾンやグーグルとの差を縮めている。
Strategy Analyticsが発表した、2019年第4四半期の世界のスマートスピーカーの市場シェアは下記の通りだ。
1. アマゾン 28.3%
2. グーグル 24.9%
3. バイドゥ 10.6%
4. アリババ 9.8%
5. シャオミ 8.4%
6. アップル 4.7%
「各メーカーが相次いで新モデルを投入したことや、音質の改善などにより、消費者のスマートスピーカーへの需要は、引き続き高い状態にある」とStrategy Analyticsの担当者は述べた。
「売上が伸びた背景には大手メーカーが相次いでディスカウントに踏み切ったことがあげられる。なかでもグーグルはスポティファイやユーチューブと提携し、無料提供を行ったことでシェアを高めた」と担当者は分析した。
市場シェアで6位のアップルの出荷台数は第4四半期に260万台に達し、前年同期から100万台伸びたが、上位メーカーからは大きく引き離されている。グーグルやアマゾンらは四半期あたり1400万台から1600万台を出荷している。
新型コロナウイルスの感染拡大の逆風の中においても、スマートスピーカー市場の成長は続くとStrategy Analyticsは予測している。
将来的にボイスがEコマースで大きな役割を果たすことになれば、アマゾンはもちろんグーグルにも大きな利益をもたらすことになる。さらに、スマートスピーカー経由の音声広告が効果を発揮するようになれば、グーグルの広告分野での覇権はさらに強固なものになりそうだ。