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Photo by David Wong/South China Morning Post via Getty Images

中国全土で1万店舗以上を展開する小売チェーンが、40%の店のオペレーションを復活できたというニュースは、果たして前向きに捉えるべきなのだろうか? 中国最大のスポーツウェアメーカー「ANTA(安踏体育、アンタスポーツ)」の投資家たちは、少なくともこのニュースを好材料と考えたようだ。

香港市場に上場するアンタの株価は2月16日、「中国全土の店舗の40%が営業を再開した」との報せを受けて4.6%の上昇となり、過去3週間で最高値を記録した。アンタは政府の指導に従い、一部の店舗を一時的に閉鎖していた。残りの店舗も感染拡大が収まり次第、営業を再開するという。

同社は直近のデータで、中国本土で約1万店舗を運営していた。福建省本拠のアンタは昨年、フィンランドの「アメアスポーツ」を52億ドル(約5700億円)で買収した。アメアスポーツは、テニスラケットの「ウイルソン」やハイキングシューズ「サロモン」などを保有しており、買収によりグローバルでの認知度も拡大した。

アンタはアメアスポーツの買収にあたり、テンセントやFountainVest Partners、米国のビリオネアのチップ・ウィルソンらと手を組んだ。チップ・ウィルソンはヨガウェア・ファッションブランドの「Lululemon(ルルレモン)」創業者として知られる。

アンタはフォーブスの「中国の富豪リスト」の2019年版に、4人のビリオネアを送り込んだ有力企業だ。

中国の小売業界では、感染拡大の影響によりスターバックスやマクドナルド、ヤム・ブランズなどの大手海外企業も店舗を閉鎖した。

アンタの場合は、店舗の閉鎖のみならず、中国国内の製造拠点の一時休止などのダメージも受けている。湖北省の従業員は現在もなお、製造現場に復帰できていない。

ただし、アンタはアイテムの製造の多くを外部にアウトソースしており、影響は限定的である点を強調した。アンタが自社製造するアイテムは、フットウェアカテゴリでは34%、その他のアパレルカテゴリでは12%程度という。

それでもなお、新型コロナウイルスの影響はすぐには消えない見通しだ。アンタによると、感染拡大によるダメージは2020年上半期の業績に影響を及ぼし、回復が見込めるのは早くても今年の下半期になるという。

編集=上田裕資

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