1928年創業のコールハーンは一時、米ナイキの傘下にあり、2013年に同社から米プライベートエクイティ(PE)投資会社のエイパックス・パートナーズに売却された。米当局への14日の届け出によると、19年6月期決算は売上高が前年比14%増の6億8660万ドル(現在の為替レートで約750億円)、最終利益が43%増の3310万ドル(約36億円)と増収増益だった。
今回の動きのポイントを3点挙げておこう。
・アスレジャーやオフィスファッションのカジュアル化というトレンドは当面続く
届け出によれば、コールハーンは自社の成長戦略において、職場でカジュアルな着こなしをする都市部の24〜44歳の「アクティブ」層を重視している。米国では18年時点で、半数の組織が従業員に普段着での勤務を認めていたという。
コールハーンもすでにアスレジャー分野に進出しており、看板のドレスシューズの分野でも、アッパーはウィングチップのオックスフォード、ソールはスポーツタイプの「ゼログランド(Zerogrand)」などのラインを展開している。実際のところ同社のシューズ部門の昨年の売り上げでは、カジュアル・アウトドア・スポーツスタイルの製品が半分超を占めた。
とはいえ、コールハーンの戦いは容易ではないとみられる。同社が競い合っていく市場にはライバルがひしめき、現状では同社のシェアは極めて低いからだ。たとえば、ユーロモニターによると19年の米シューズ市場のシェアはナイキが約15%で独走し、これにドイツのアディダス(約5.3%)、米スケッチャーズ(3.7%)が続くが、コールハーンのシェアはわずか0.3%で32位にとどまっている。