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また、同社が厳しい時期を経験していたとき、マスクはテスラ株を1株420ドルで買い上げ同社を非公開化する資金を確保したと主張した。これは当時取り引きされていた株価と比べると非常に高額だった。マスクはこの秘密の資金提供者について少し誇張していたと考えられている。あるいは、マスクのこの話は完全なでっち上げだったとみる人もいる。

マスクはまた、人気のポッドキャスト番組に出演した際、ウイスキーを飲み、マリフアナを吸ったことでも関心を集め、その動画や音声は数百万人に視聴された。彼の突飛な行動は、企業倫理の専門家から疑問視された。

さらに、同社のネバダ州にあるギガファクトリーの元セキュリティー管理者による告発からは、マスクが探偵を雇い、ある従業員の携帯電話をハッキングしてメッセージを盗み読み、銃乱射が起きる可能性について警察に誤った通報をした疑惑も浮上している。マスクは電子メールで、ある従業員が「当社の経営に損害を与える破壊工作」を試みたとし、その背後には「ウォール街の空売り屋」や「石油・ガス企業」、「多くのガソリン・ディーゼル車競合大手」がいた可能性があると主張していた。

ハンドブックでは安全対策の重要性を指摘し、会社は「従業員が毎日、出社したときと同じ状態で帰宅する」ことを望んでいると記しているが、同社ではこれまで安全規定違反があった疑いも出ている。メディア報道によると、従業員からは定期的に緊急電話番号への通報があり、「固定されていない建設廃材が暴風で屋根から吹き飛ばされ頭にけがをしたり、床に開いた穴から人が落ちたり」といった危険な労働環境への言及があったという。

テスラとマスクはビジネス界でも特異な存在だ。忠実な顧客や投資家の多くは、同社とその派手なCEOを気に入り、テスラとその成功をゆるぎなく応援している。マスクは何度も不適切な行為に及んでいるが、それにもかかわらず投資家や顧客からの信頼は揺るがない。テスラの人事系社員や企業弁護士、役員らの頭痛の種はこれからも続き、突飛なCEOの行動に追いつくための努力を永遠に続けることになるだろう。

編集=遠藤宗生

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