「本日、ベゾス・アース・ファンドの立ち上げを宣言する」とベゾスはインスタグラムの投稿で述べ、その手始めとして100億ドルを寄付するとアナウンスした。
彼は今夏から助成金の授与を開始し、科学者や環境保護団体など、あらゆる種類の自然保護活動を行う個人や団体などを支援していくと述べた。今回立ち上げたアース・ファンドは、ベゾスがこれまで行った寄付活動の中で最大規模のものとなる。
ベゾスの過去の寄付の実態に関しては知られていない部分もあるが、2018年には「ベゾス・デイ・ワン・ファンド(Bezos Day One Fund)」を立ち上げ、ホームレスの家族の支援を行う団体や、無料でモンテッソーリ教育を行う幼稚園の建設を支援すると宣言していた。
「気候変動は人類にとって最大の脅威だ」とベゾスは述べた。「気候変動が人類に及ぼす壊滅的打撃を、食い止める取り組みを進める人々を、支援していきたい。地球は我々にとってかけがえのない惑星だ」
彼が気候変動対策を打ち出すのは、これが初めてではない。昨年9月にベゾスは、社内からのプレッシャーの高まりの中で、気候変動対策の方針を示す「Climate Pledge」を公開した。そこでベゾスは、アマゾンがパリ協定で定められた温暖化ガス削減目標に近づくことを約束し、2040年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにすると述べた。
アマゾンの広報担当はフォーブスの取材に次のように述べた。「当社は昨年、Climate Pledgeをアナウンスし、パリ協定で定められた目標を10年前倒しで達成するという大胆な試みに乗り出すと宣言した。社内のメンバーは、今回のアース・ファンドの立ち上げに、非常にエキサイトしている。ベゾスの強い意思は、気候変動対策に強力なインパクトを与えるはずだ」
アマゾンはこれまで、サステナビリティや気候変動の取り組みに関し、非難を浴びてきた。同社が年間で配達する荷物の量は、推定で10億個に達しており、環境に巨大なダメージを与えてきた。
昨年9月には1000人以上のアマゾン従業員らが、同社の環境への取り組みを批判する抗議デモを計画していたが、そのデモが始まる直前にベゾスはClimate Pledgeを公開していた。
世界一の富豪であるジェフ・ベゾスの保有資産は、1299億ドルとされている。今回のアース・ファンドに彼が注ぐ100億ドルは、保有資産の10%近くに相当する金額だ。ベゾスは彼が1984年に創業した、アマゾンの発行株式の12%を保有しており、ワシントン・ポストのオーナーでもある。