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アジアの仮想通貨市場は、今や世界の取引量の80%を占める。仮想通貨に特化した米国の大手投資会社であるパンテラ・キャピタルやパラダイム、ポリーチェーン・キャピタル、コインベース、ドラゴンフライは、拡大を続けるアジア市場に商機を見出し、香港に本拠を置く仮想通貨取引企業「Amber」に総額2800万ドル(約30億円)を出資したことが明らかになった。このラウンドでのAmberの評価額は1億ドルに達した。

Amberを創業したのは20代の若者5人で、そのうち4人は元モルガン・スタンレーのトレーダーだ。同社は、設立当初「Amber AI」という社名で、人工知能を使って中国の株式や債券を取引きしていた。しかし、彼らは仮想通貨の価格が取引所ごとに大きく異なることに気付き、アービトラージ(裁定取引)で儲けるために2017年の夏に仮想通貨取引に事業を転換した。

当時は今より価格差が大きく、例えばある取引所でビットコインを7300ドルで購入し、すぐに別の取引所で7700ドルで販売し、5%の利益を得ることができたという。「かつて扱っていた社債では0.01%の差でも大きいため、最初は信じられなかった」とAmber のCFOを務める28歳のTiantian Kullanderは話す。

Kullander によると、2017年10月から12月の間に月間100〜200%の利益を得たが、当時の運用資産は数百万ドルに過ぎなかったという。Amberは自己資金だけでなく、他の仮想通貨スタートアップの資金も運用して利益を稼いでいる。

多くの仮想通貨スタートアップはICO(イニシャル・コイン・オファリング)で数千万ドルを調達し、余剰のデジタル資産をAmberで運用している。Kullanderによると、2018年にビットコイン価格が70%下落して3800ドルになった際、Amberは500億ドルを運用して平均40%のリターンを得たという。

Amberは、18カ月前からテクノロジー企業への脱却を目指してきた。仮想通貨市場はまだ歴史が浅く、洗練された戦略を取りたいトレーダーが求めるツールが存在しない。

Amberは独自のソフトウェアを作成し、大手プロ投資家向けに取引きプラットフォームを作ろうとしている。同社は、10を超える取引所を繋ぎ、最も条件の良い取引所で顧客の注文を約定させている。今後は、融資やオプションなどのサービスを追加するほか、顧客がよりレバレッジを高めたり、予め設定した価格で資産を売買できる金融商品の提供を行う予定だという。Amberは、当初予定していた人工知能の活用が実現しなかったため、昨年社名から「AI」を削除した。

編集=上田裕資

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