短編動画Vineから派生のクイズアプリが終了、資金調達に失敗

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毎日午後3時と午後9時にライブ配信のトリビアゲームを提供する、無料のiOSアプリ「HQ Trivia」は2017年に大注目を浴びたが、事業拡大に失敗し、オペレーションを停止することが2月14日、CNNの報道で明らかになった。

HQ Triviaの運営元のHQのCEOのRus Yusupovは、社内向けのEメールで、投資家らと11時間に及ぶミーティングを重ねた結果、出資を受けることを断念したと伝えた。HQは事業を閉鎖し、25人の従業員を解雇する。

HQ Triviaは、アプリの利用者に賞金を支払うことで知名度をあげ、2019年7月までに600万ドル(約6億6000万円)を支払ったという。しかし、支払いが遅延することも多く、昨年から利用者は減少傾向にあった。最後のゲームとなったシーズン14では、8人の人々に125ドルが支払われていた。

同社は2018年初頭から2019年1月にかけて、1000万ドルの広告売上をあげたが、新たに始動した番組や有料サブスクリプションコースは集客に失敗し、経営に混乱をきたしていた。

昨年7月には全従業員の20%が解雇され、2019年6月時点のアプリのダウンロード件数は、前年比で92%のマイナスになっていたという。Sensor Towerのデータでは、HQ Triviaは立ち上げから累計1500万件のダウンロード数を獲得していた。

HQは直近に実施した2018年3月の資金調達で、Founders Fundの主導で1500万ドルを調達し、当時の評価額は1億ドルだった。同社の共同創業者は短編動画アプリ「Vine」の設立に参加したColin Kroll だったが、彼は2018年12月に薬物の過剰摂取が原因で、34歳で死去していた。

HQ Triviaはピーク時の2018年3月には、238万人のアクティブユーザー数を誇っていた。

HQのCEOのYusupovは、従業員宛てのメッセージで「事業終了の決断は、非常に辛いものだった。会社を支えてきたメンバーやユーザーらに、非常に申し訳なく思っている」と述べた。

編集=上田裕資

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