ライフスタイル

2020.03.01 12:00

新業態のコンビニエンスストア「アーバン・ファミマ!!︎」が与えるインパクト


「服が個人消費のなかで最も高い買い物のひとつであり、特別なものと位置付けられる世の中では、もはや、なくなりつつあります。ウィークデイにコンビニエンスストアにコーヒーを買いに立ち寄ったお客様が、同じような感覚で服も購入する。そうした消費行動があり得る世の中になっています。変化に対応していかなければ、ファッションはどんどんサブカルチャー化していってしまう。それでは、ビジネスとして成り立たないと思うのです」
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だからこそ、顧客接点を増やしていかなければならないと乾はいう。「アーバン・ファミマ!!」においても、そうした仕掛けは随所に施されている。

「例えば、今回の店舗では、アーバンリサーチのオンラインストアに掲載されているほとんどの商品を取り寄せられるようにしました。オフィスで働く皆様がお昼休みにお弁当を買いに来た序でに、試着して購入できる。ファッションビルにわざわざ買い物に行かなくても、日常の中で完結することができるのです。こうしたオムニチャネルのサービスは、試着ができないという通販の弱点を補うだけではない、よりお客様に寄り添ったサービスになり得ると思っています」


店内にあるギフトサイト「musve」のコーナー。
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店舗に展示する服はショーケースとも言える。ここでは、ファッションビルに行くファッションが好きな客層だけを対象とするのではない。コンビニエンスストアを利用するすべてのオフィスワーカーが対象だ。それはアーバンリサーチのコンテンツを知ってもらうチャンスでもある。そのため、品揃えは、ブランドの世界観をわかりやすく伝えるラインナップを意識したという。

陳列の仕方もコンテンツをいかにわかりやすく見せるかに心を砕いた。さらに、バイヤーが厳選した商品を掲載する「URBS(アーバリサーチ バイヤーズセレクト)」、ギフトサイトの「musve(むすぶ)」などのEC限定商品も常設展示し、実際に手にとってもらえるようにした。

「まずはアーバンリサーチのカルチャーに触れていただければ、その先は自信があるのです。私たちの社名である『アーバンリサーチ』は、都市を探索するという意味です。コンビニエンスストアという新たな領域への挑戦も私たちの探索のひとつです。これからもどんどん新たな提案をしてアップデートしていきます。ぜひ楽しみにしていてください」

ワンランク上の日常を体験できるコンビニエンスストア。まさに、アーバンリサーチならではのプレゼンテーションだ。これからも進化を続ける「アーバン・ファミマ!!」に注目していきたい。


いぬい・のぶあき◎1971年大阪府生まれ。91年アーバンリサーチ入社。97年、1号店となる大阪・アメリカ村の店舗の店長を務め、その後バイヤーとして、数多くの海外ブランドのエクスクルーシブやドメスティックブランドとの協業をプロデュースし、同社の認知度を一気に引き上げた。営業面においては、マネージャーを経て、旗艦ブランドのアーバンリサーチからKBFまでを擁する同社の執行役員・第一営業部部長として現在に至っている。


アーバン・ファミマ!! 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー店

文=高城昭夫

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