新業態のコンビニエンスストア「アーバン・ファミマ!!︎」が与えるインパクト


そしてもうひとつ、この店舗の最大の特徴と言えるのが、環境に配慮した取り組みだ。

店内はエコロジーカラーを基調とした落ち着いた空間で、ファッション性の高さ、居心地の良さは「アーバンリサーチ」×「ファミマ!!」ならでは。すでにデイユースで立ち寄るオフィスワーカーたちの満足度も高いという。

実はこの店舗、一見ではわからないが余分な湿気を吸収する卵の殻を再利用したエッグウォールやエッグペイント、火力発電所で発生する石炭灰やコーヒー豆の廃棄物を利用したリサイクル内装ボードも随所に採用されている。


照明も他の店舗で使用していた器具を再利用。センスよく配されている。

商品ラインナップも環境に配慮したコンセプチュアルな商品を多数取り揃える。「アーバンリサーチエリア」では、廃棄衣料を用いたオリジナルプロダクト「commpost(コンポスト)」の全商品や、スイス発の「FREITAG(フライターグ)」のバッグ、エシカルなファッションを推進する「かぐれ」のオーガニックコスメのほか、別注商品をはじめとしたアパレルアイテムなども陳列している。

「日本でもサステナブルに対する意識の高まりが大きなうねりとなっています。いちばんに時代を反映し、店舗や商品ラインナップで表現できるのが、世界のファッションの動向を知る私たちの強みです。ファッション性を店舗に求めるならば、環境に配慮した店舗開発にプライオリティを置く必要があったのです」

「アーバン・ファミマ!!」がやろうとしていることは、すべての商品をエコ、オーガニックで揃えようとしているわけではない。まずは、日常のインフラから未来の資源を考えるきっかけを発信していくことから始めるという。───例えばと乾は続ける。

「傘にしてもビニール傘だけではなく、私たちの視点でお勧めしたい素材にこだわった傘も置く。この傘であれば少し高いですが、長く使えるし、環境に配慮していますよ、と選択肢としてご提示したい。そうしたことを、これからどんどん積み重ねていきたいと思っています」

アーバンリサーチは、これまでも企業としてSDGsに向き合い取り組んできた。コンビニエンスストアのオペレーションにこれまでなかったことでも、アーバンリサーチであればできることもある。ファミリーマートの高度なテクノロジーにアーバンリサーチの独自のオペレーションを掛け合わせる。それこそが両社が目指すところだ。
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文=高城昭夫

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