新業態のコンビニエンスストア「アーバン・ファミマ!!︎」が与えるインパクト


「実は、ミーティングのほとんどはマインドのすり合わせでした。お互いのカルチャーを理解し、同じ方向を見据えて感度の軸を合わせることが生命線だという認識は共有していました」

そのうえで、それぞれができること、できないことをはっきりさせて、お互いの強みを生かさなければならない。ミーティングを積み重ねることで、感度の軸は磨かれていったという。ファッション性とカルチャーを兼ね備えた新業態のコンビニエンスストア構想はこうして具現化されることになる。

「ファミリーマートさんには、柔軟な社風があります。何より品揃えがそれを語っている。私たちファッション業界にも言えることですが、利益を追求するとどうしてもプライベートブランドを増やし、画一的になってしまう。ファミリーマートさんは、もちろん、オリジナル商品もたくさんつくっていますが、セレクトショップというスタンスは堅持している。自分たちだけで完結するのではなく、いろいろな業種の人たちを巻き込んでいくことで、常にアップデートを繰り返している。私たちもセレクトショップであることに対してこだわりをもっています。だからこそ共通言語でお互いのソリューションにつなげることができると思っています」

ワンオペレーションでアーバンリサーチが運営


店舗フロアは、大型イートインスペースを境に、“WORK TIME SUPPORT”をコンセプトとした「ファミマ!!エリア」と、“PERSONAL LIFE SUPPORT”をコンセプトとした「アーバンリサーチエリア」を配する3区画構成とした。総面積は約580平方メートル。イートインスペースには38席を用意し、その空間を使ってアーバンリサーチの既存店舗でも好評を博したヨガのワークショップなどを行う予定だ。


フロア中央に配されたイートインコーナー。


「ファミマ‼︎エリア」の店内風景。


「アーバンリサーチエリア」の店内風景。

フロアすべての運営は、アーバンリサーチが一手に引き受ける。アーバンリサーチがファミリーマートのフランチャイズになるかたちだ。

「ファミマ!!エリア」では、まずは、ユニフォームをファッション性の高いものに一新。ほかにもアーバンリサーチならではのお客様へのベネフィットを追求し、随所にこだわりをちりばめた。アーバン・ファミマ!!オリジナルの今治タオルハンカチやTシャツのほか、通常のファミリーマートの店舗にはないプレミアム商品や、急な出張時などに利用できるお土産品も取り揃えた。


「アーバン・ファミマ‼︎」のオリジナルユニフォーム。


アーバン・ファミマ!!オリジナル商品の今治タオル。全10色。

さらに、アーバン・ファミマ!!オリジナル商品は、そのパッケージデザインにまでこだわった。これまで利便性を重視するコンビニエンスストアでは、なかなか試みなかった心の満足感にまで踏み込んだ提案だ。


パッケージもオリジナルデザインだ。

「日常のなかにちょっとリッチな日常があるという気づきは、お客様にとっては新鮮な感覚ではないでしょうか」
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文=高城昭夫

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