新業態のコンビニエンスストア「アーバン・ファミマ!!︎」が与えるインパクト

2月12日、アーバンリサーチとファミリーマートは、再開発が進む虎ノ門ヒルズエリアに、ライフスタイル提案を重視した新業態店舗「アーバン・ファミマ!!」をオープンした。アパレルとコンビニエンスストアのコラボレーションは、社会にどのようなインパクトを与えるのか、アーバンリサーチ執行役員の乾展彰に話を聞いた。

感度の軸を共有する


アーバンリサーチは、「都市に生きる自分らしい人々」へ向けて服を中心としたライフスタイル全般を提案する「アーバンリサーチ」をはじめとする数々のブランドを運営。世界のトレンドを反映したアイテムやオリジナルブランドを揃えるだけでなく、テーラー、スポーツウェア、バーバー、レストランが一体となったニューヨーク発のライフスタイルショップ「FREEMANS SPORTING CLUB(フリーマンズ スポーティング クラブ)」の日本展開店舗や、蓼科湖畔のキャンプ場・宿泊施設「TINY GARDEN 蓼科(タイニーガーデン 蓼科)」など、ファッションを広義に捉えて、これまでもさまざまな異業種の運営や他業界とのコラボレーションを行ってきた。

時代の移り変わりに応じたファッションニーズを的確に捉えていくために、お客様とのより幅広いタッチポイントを求めて積極的なチャレンジを続けている。


ファミリマートの使用済み什器をシューズディスプレイとして再利用。店内には至るところにサステナビリティの考え方が反映されている。

一方のファミリーマートは約16,500店舗(2019年9月末時点)を全国に展開する店舗数業界2位のコンビニエンスストア。今回の協業は、都市型ワーカー向けに大型オフィスビルや複合施設で展開している「ファミマ!!」ブランドでの出店だ。「ファミマ!!」としては51店舗目。アパレルブランドとの協業は初の試みになる。最先端オフィスのベースステーションとして、常に新しい商品・サービス・アライアンスを追求している。虎ノ門ヒルズエリアの再開発を進める森ビルを介してアーバンリサーチは、ファミリーマートと出会った。

今回の協業についてアーバンリサーチ執行役員・第一営業部部長の乾展彰はこう語る。

「ここ数年、コンビニエンスストアの主力商品はユーザーのエコ、健康意識の向上とともに大きく変わり始めています。ファッション業界もトレンドに応じた店舗戦略が重要な時代に入りました。同じ変化対応業として建設的な話ができるという確信はありました」

両社が協業することで、どのような新たな価値を生み出せるのだろうか。両社はその答えを見つけるために、3年の歳月を費やし、実に100回以上の打ち合わせを行ったという。
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文=高城昭夫

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