世界各国で気温上昇が報告され、航空機が排出する二酸化炭素排出がその原因の一端とされる中で、同社は今後10年間で、環境負荷の小さい技術の開発に最低10億ドル(約1100億円)を投資する。
カーボンニュートラルの実現を目指すデルタ航空は、燃料効率に優れた技術や代替燃料の開発を進めていくとニューヨーク・タイムズ(NYT)は報道した。
ただし、当面の間は従来のジェット燃料の使用をやめないとデルタCEOのエド・バスティアンは述べている。航空会社は世界のCO2排出量の約2%を占めるとされているが、この数値は2050年までに3倍に上昇すると予測されている。
航空会社がただちに二酸化炭素排出を削減することは難しいが、機体への軽量素材の活用などの施策で、年間の排出量を1%から2%削減することは可能だ。BBCによると、バイオ燃料の活用やEV化はまだかなり先のことにはなるが、数十年先には実現可能という。
カーボン・オフセットのような既存の仕組みの持続可能性や、デルタの約束が現CEOの退任後も継続されるかどうかは定かではない。BBCによるとカーボン・オフセットの実効性は計算が難しく、排出削減に向けては別のソリューションも必要になるという。
スウェーデンの環境保護活動のグレタ・トゥンベリは、二酸化炭素排出を抑えるため、航空機を用いず、船で世界のカンファレンスに出席している。国連は今年からカーボン・オフセットの取り組みを本格化させており、民間航空会社もこの動きに賛同している。
デルタ航空は以前から二酸化炭素排出レベルを2012年の水準に抑えると宣言し、ジェットブルー航空やルフトハンザ航空も、独自の削減プランを明かしていた。
石油及び天然ガス大手のBPも先日、2050年までに二酸化炭素排出をゼロにすると宣言していた。