ストロー廃止やレジ袋有料化。日本のプラごみ削減政策、なぜ先進的でない?

形式だけではなく、変化をもたらす行動を起こさなければなりません。(Getty Image)


これは「ゼロ・ウェイスト認証制度」という仕組みで、使い捨て製品の提供中止や代替品の模索に取り組むだけではなく、サプライヤーやお客様ともコミュニケーションを取って協力者を増やし、廃棄物を削減しようとしている事業者(特に店舗)へのサポートを提供する制度です。事業者は、サステナビリティに取り組むビジネスであるという認証を受けブランディングできることや、それを実現していくための明確なアプローチ方法(スタッフへのトレーニングなども行っています)の提供を受けられます。

また、こうした認証店を増やすことで政策立案者や生産者や社会に対し、サステナビリティを実現する製品やサプライチェーンモデルに対する一定の需要があるという声をより大きく届けることもこの制度の大きな目的です。



また、NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーは、ゼロ・ウェイスト政策を実現するために地域コミュニティの中で長年活動してきました。そして、コミュニティの努力によって80%以上の廃棄物を資源化できることを証明しました。しかし同時に、残りの約20%については、生産段階における製品設計や素材の革新、あるいはそれをサポートするような政策実現による「体系的な仕組みの変革(“Systemic Change”)」が起こらなければ達成できないということも明確になったのです。



このようなシステミックな変革を日本で起こすには、私たちはマルチステークホルダーによるパートナーシップ構築が鍵となると強く信じています。そのためには、地域コミュニティや、NGO/NPO、事業者および政策立案者がそれぞれのステークホルダーの立場でお互いに何ができるのかを理解し、それぞれが他者から学ぶための一歩を踏み出し、サーキュラーエコノミーなどの社会的・経済的モデルを作るためのインフラを確立する必要があります。

G20がプラスチックごみの削減に向けた建設的かつ効果的なロードマップを示して閉会されることを期待しつつ、一方で、政府が方針を打ち出して私たちを導いてくれるまで待っていては時間がかかりすぎてしまいます。

私たち一人ひとりが持続可能な未来をつくっていくことに対して、早急に自分事として取り組む必要があります。例えば私たちが始めたマルチステークホルダーによる取り組みが、様々な主体を対話のためのテーブルにつかせ、より良い政策をつくるための基礎を生み出すかもしれないのですから。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)


連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Akira Sakano, Chair of the Board of Directors, Zero Waste Academy

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