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2020.02.22 11:00

ミラノで大盛況。日本の発信拠点「TENOHA」はなぜウケているのか|前編

「TENOHA MILANO」を運営する代表の菊池大樹(左)と日本オフィス代表の牧亮平

「TENOHA MILANO」を運営する代表の菊池大樹(左)と日本オフィス代表の牧亮平

「TENOHA(テノハ)」という店名を聞いてピンとくる人がいるかもしれない。昨年10月末に、再開発のため惜しまれつつも閉店した、代官山にあった複合施設の名前だ。

日本の雑貨などを扱うライフスタイルショップのほか、イタリアンレストランやカフェ、コワーキングスペースなどが併設されていた。都会にしては広々としたスペースに、背の高い樹木や植物が植えられ、洗練された“癒しの空間”といったところだろうか。とくに休日は賑わっていて、私にとってもお気に入りの場所だった。

もともと、この「TENOHA DAIKANYAMA」は、2014年11月から5年間限定で始めた施設であるが、2018年に私は、新たにイタリア・ミラノで「TENOHA MILANO」がオープンしたという知らせを耳にしていた。新しい拠点はなぜイタリアなのだろう? 不思議に思っていたが、年末年始にイタリア人の夫の実家に帰省した際に、ミラノの店舗に足を運んでみた。

日本の発信拠点は、ミラネーゼに人気の地区に


TENOHA MILANO入り口
年明け、TENOHA MILANOの入り口には植物や門松が置いてあった

ミラネーゼや若者が集まるナヴィリオ地区へ。リストランテが立ち並ぶ運河からほど近い場所に「TENOHA MILANO」はある。店外には閉店した代官山店と同様に、植物が置かれている。正月のためか、玄関には門松が飾ってあり、年始もクリスマスムードが漂うイタリアで、初詣をする時のような背筋が伸びる思いがした。

店内は年始にもかかわらず、多くのお客さんで賑わっていた。日本の文房具やクラフト製品などが販売されているにもかかわらず、なぜかどこか日本らしくない。

大きな違いは、圧倒的な天井高だろう。5~6mほどもありそうな高さで、店内が広々とした印象を受ける。そして、銀色の真新しい太めなダクトや、レジを囲むようにして掲げられた四角い照明が、よりモダンな雰囲気を醸し出している。

TENOHA MILANO店内
天井が高く、広々とした店内

店の入り口には、福袋が「FUKUBUKURO」とネーミングされて売り出されていたが、日本で見られる赤と白といったデザインではなく、くすみがかったライトグリーンだった。年始になってもクリスマスムードが漂うイタリアだが、福袋もクリスマスから販売されているという。

TENOHA MILANOは、日本の欧州専門商社「佐勇」のイタリア現地法人が運営している。現地法人代表の菊池大樹と日本オフィス代表の牧亮平は、ともに31歳と30歳の若手ビジネスマン。2人に、町家のように奥へと広がる施設内を案内してもらった。

敷地面積は約2500平方メートル。通りからはライフスタイルショップだけしか見えないが、奥へと進むと、広大な敷地に多様な機能を持つ複合施設として展開されていることに驚かされることになる。
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文=督あかり 写真=Christian Tartarello

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