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アメリカのある夫婦は90万ドル(約1億円)の学生ローンを抱えている。そして妻はこのほど、弁護士になることを認められなかった。

背景を説明しよう。

学生ローン


59歳のシンシア・マリー・ロジャース(Cynthia Marie Rodgers)は、弁護士になろうと、オハイオ州にあるキャピタル大学ロースクール(法科大学院)を卒業した。同州で弁護士として働くには、資格を得るための一環として、人格ならびに適性の審査に合格しなければならない。この審査は、弁護士としてふさわしい人格を持っていることを確認するために、弁護士志望者に課せられている。

ところが、資格認定を行うオハイオ州最高裁判所の人格適性審査委員会(Board of Commissioners on Character and Fitness of the Supreme Court of Ohio)は、ロジャースの登録申請を認めないよう勧告した。その理由は、ロジャースには弁護士に欠かせない人格や適性が備わっていないからだという。同最高裁判所は、以下のような理由を挙げた。

1.ロジャースはこれまで、連邦裁判所や州裁判所、地方裁判所で、法的根拠を欠いたと考えられる不まじめな訴訟を数多く起こしている。それらはすべて、法科大学院で学ぶ前に起こしたものだ。訴訟内容は、人身傷害や財産権、破産などさまざまである。

2.ロジャースとその夫が借りている学生ローンは合計90万ドル。そのうちの34万ドルは、妻が法律学の学士、準学士、修士プログラムを修めるために借りた分である。

ロジャースは裁判所に対し、自分は障がいがあるため、パートタイムでしか就労できないと申し立てた。彼女が利用している学生ローンの返済プランは所得連動型で、毎月の返済は可処分所得に応じた額となる。

ロジャースは裁判所に対し、自分の学生ローンは、免除されるか、一生払い続けるかのいずれか一方になると考えていると述べた。一方の裁判所側は、ロジャースは「返済することはないとわかっていて学生ローンを借りた」という見解だ。

州弁護士会は、学生ローン負債があるという理由で新人弁護士の登録を拒否できるのか


必ずしもそうとは言えない。当然ながら、法科大学院を修了したばかりの卒業生は、弁護士会に資格申請する時点では、学生ローンを抱えている場合がほとんどだ。未来の弁護士が、学生ローンのせいで不適格だとみなされるのであれば、法科大学院を卒業したての新米弁護士の多くは、州弁護士会に登録できなくなってしまう。

とはいえ、適性評価や、道徳的な人格か否かの審査は、弁護士会に登録する際の重要な要素だ。州弁護士会は、学生ローンがあることだけを理由に申請者を不適格にすることはないかもしれないが、申請者の道徳的な人格に関して全体的に判断するため、状況の全体を評価することはあり得る。

今回のケースでオハイオ州最高裁判所は、ロジャースが数々の訴訟を起こすことによって法制度を悪用したと考えた。また、ロジャースが多額の学生ローンを借りておきながら、全額を返済するつもりがなかったと判断した。裁判所の判断によると、これらは、ロジャースが弁護士資格を持つのに適していないと判断するのに十分だった。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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