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Photo by Sean Gallup/Getty Images

アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアックは、巨大テック企業が独占力を持つことに非常に消極的だ。所有するテスラ車に対しては愛憎入り混じった感情を持ち、フェイスブックはその「依存性」を嫌い利用をやめた。人工知能(AI)についてはかつて熱心な支持者だったものの、今では見解を180度変え、AIは知的ではないと考えるようになっている。

米国の全ての机にコンピューターを普及させたウォズニアックだが、知能の源としては「人間」が一番だと考えている。ウォズニアックは私たちと同様、カスタマーサービスに問い合わせをするときには、本物の人間と話したいたちだ。

ウォズニアックと直接会った私は、彼が才能あふれる人であることを確認した一方で、意外にも温かく率直で、皮肉で非常に面白い人物であることを知った。私と他の少数のジャーナリストは、米市場調査会社J.D.パワーがラスベガスで昨年開催した「Auto Revolution(自動車革命)」のイベントで、ウォズニアックを取材する機会を得た。

ウォズニアックは、世界最大級の企業であるアップルといまも関係を持っているが、巨大テック企業の行いをめぐる健全な懐疑心を表明。テック企業は自らの遍在性を悪い方向にも良い方向にも使うことができると指摘した。

「テック系大企業の一部は、良いことをし、独占状態を得る」とウォズニアック。「例えば90%のガソリンスタンドを所有するようになった後、自動車会社を立ち上げると同時に、ノズルの形状を変更する。自社製の車にガソリンを補給できるのは、自社傘下のガソリンスタンドだけになる」

こうした悪質な手法が自動車業界で実際に起きたことはまだないが、テクノロジー分野ではこうした消費者操作は一般的だ。「会社がコントロールしているファンが非常に多く、至るところにいるために、自らの独占的立場を使って他の市場を乗っ取るやり方だ」

ウォズニアックが何年も前にフェイスブックをやめたのは有名な話だ。その理由は、同サイトが「自分のデータを全て取っていたこと」だと報じられているが、本人によれば、実際はそれとは微妙に異なるという。彼は自分のデータが使用されていることに心を痛めていただけでなく、フェイスブックを使う生活に依存性があることに気づいた。

「フェイスブックは習慣を形成する。本当の意味でフェイスブックを使った期間は3カ月だけ。そこで考えた。ちょっと待てよ、私は習慣が嫌いだ。これは依存症のようなものだ」

編集=遠藤宗生

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