中国で発生した新型コロナウイルスの感染が拡大し、アメリカに次ぐ世界2位の中国経済に大きな打撃をもたらしていることを受けて、エコノミストたちは、既にアメリカ経済の成長見通しを下方修正し始めている。
JPモルガンの主任エコノミストであるマイケル・フェロリ(Michael Feroli)は、中国経済の第1四半期の成長見通しが大幅に引き下げられたことが、連鎖的に影響していると説明する。
「当社では、中国の第1四半期の推定実質GDP成長率を5.3ポイント下方修正したことを踏まえて、アメリカの第1四半期の成長見通しを0.25ポイント引き下げて1.0%とした」と、フェロリは調査メモに書いている。
さらに彼は、不吉にもこう続けた。「新型コロナウイルスが国内経済にどのような影響をもたらすかは依然として不透明であり、今回の修正は初期対応と考えるべきだ」
JPモルガンのエコノミストたちは、対中輸出が推定8%落ち込むことが、アメリカ経済に打撃をもたらす主な要因になるだろうと推定している。
彼らは、輸出のこうした減速は一時的なもので、いずれはその大部分が回復すると見ている。だが、これは中国の各種工場が2月10日から操業を再開することを前提とした予測であり、実際には工場再開の見通しはますます微妙になってきている。
「一時的なものと予測されている低迷を経て、活動が正常な状態に戻れば、アメリカの第2四半期成長見通しは、0.25%押し上げられて1.75%になる」とフェロリは言う。
「当社の中国法人の同僚たちは、2月10日に各種工場が再開されるという仮定で予測を立てている。その前提であれば、サプライチェーンの混乱がアメリカの経済成長に大きな影響を及ぼすとは我々は予測していないし、経済活動への悪影響も予測していない」
少なくとも、いまは。