現代自動車は、BMW出身の3人が設立した「カヌー(Canoo)」と提携し、傘下の起亜自動車と共に、カヌーのプラットホームを導入する。現代自動車はカヌーに出資するのではなく、非公開の金額を技術使用料として支払う。
カヌーのスケートボード型プラットホームの採用により、セダンやバン、配達用車両の部品を共通化し、製造コストの大幅な削減が可能になるという。
「カヌーとの提携により、コストを抑えた自動運転車両の大量生産を目指していく」と現代自動車のR&D部門を統括するAlbert Biermannは述べた。彼は具体的な製造スケジュールには言及していないものの、カヌーとの取り組みで、EVの製造工程の複雑度を抑え、柔軟な仕様変更が可能になるという。
現代自動車は1月初旬に、今後の5年間で870億ドルをEVや自動運転車などの次世代モビリティ分野に投資すると宣言した。ここには自動車部品メーカー「Aptiv」とのジョイントベンチャー向けの40億ドルの出資も含まれている。Aptivとの協業で、現代自動車は自動運転テクノロジーの開発スピードを上げようとしている。
さらに67億ドルの資金を、燃料電池車の開発に注ごうとしている。
2017年創業のカヌーは、EVを消費者に販売するのではなく、外部企業との提携によりサブスクリプション型のサービスを展開することを目指している。同社のモットーは「消費者を大手自動車メーカーが支配する、車の所有というライフスタイルから解放すること」とされている。
「現代自動車のような大手メーカーと提携できて、非常に光栄だ」とカヌーのチェアマンのStefan Krauseは述べた。