フランス語話者の不満


2004~07年に東欧の十数カ国がEUに加盟する以前は、EU関連機関のリンガ・フランカはフランス語だった。だが、東欧の国でフランス語を話す人は、ルーマニア以外にはほとんどいない。各国は共産主義から抜け出した後、若者への英語教育を義務付けた。そのため、第二言語として英語を話す人が多い。

一方、教育以上に欧州全域における英語の使用に多大な影響を及ぼしたとみられるのが、米国の映画やテレビ、音楽だ。特に40歳未満の人たちは、そうした影響を強く受けている。域内の人々の多くが、メディアが英語で伝える内容を理解したいと考えている。

英語に関するこうした状況は、米国の影響によるものだ。英国とは関係がない。それでもEUの職員、特にフランス人は、政策決定において英語に不当な優位性が与えられていると不満を漏らしてきた。

公用語でなくなる可能性も?


ブリュッセルでは、ほぼすべての会議が通訳に頼ることなく、英語で行われている。ブレグジット後も引き続き、議会では英語が頻繁に使用されるだろう。

EUでは現在、英語は今後も公用語であるべきかということが議論されている。だが、仮に公用語でなくなったとしても、英語はEUの立法における共通語であり続け、EU市民の大半が使用する言語であり続けるだろう。

これは、英語が単なる一国または複数の国で使われる「言語」以上のものに進化してきたことを反映している。英語は国際的なコミュニケーションの手段となっており、特定の国のみに属する言語ではない。ブレグジットがEUにどれほど大きな変化をもたらそうと、この点に影響が及ぶことはないだろう。

編集=木内涼子

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