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2020.02.15

中国映画業界に壊滅的打撃、上映停止で「1600億円」の減収

Photo by Kevin Frayer/Getty Images

新型コロナウイルスの感染拡大により、中国の映画館は上映を停止し、映画の製作も中止されている。2020年の中国における映画興行収入は、少なくとも15億ドル(約1650億円)の減少となった模様だ。

ハリウッド・レポーターの報道によると、過去20日間の中国での映画チケット売上は390万ドルで、昨年の同期間の15億2000万ドルから大幅な減少となった。中国の映画館は感染拡大が始まった1月24日頃から営業を停止しており、年間で最も集客が見込める春節の時期と重なった。

映画の製作も中断し、ヒットが見込まれた「ジョジョ・ラビット」や「1917 命をかけた伝令」「ドクター・ドリトル」などの作品の公開も延期となっている。

映画会社の経営陣は中国政府に金銭的なサポートを求めており、興行収入を増やすために5月の労働節(メーデー)の祝日を拡大することを提案している。

2017年のデロイトのレポートで、中国の映画産業の規模は2020年に興行収入においても、観客動員数においても米国を上回る見通しだとされていた。感染拡大を受けて、中国で上映中止になったスクリーン数は7万に達している。

新型コロナウイルスによる死者数は、2002年から2003年に猛威をふるったSARSによる死者数を既に超えている。ハリウッド・レポーターによると、中国政府は映画業界の関係者らに聞き取り調査を行い、どのような支援が可能かを探っているという。

中国での映画の上映再開がいつになるのか、政府の支援が果たして実行に移されるかどうかは現時点では定かではない。関係者の一部からは、感染拡大がやんでも、映画館に客足は戻らないかもしれいないと懸念する声もあがっている。

業界紙のバラエティは、中国での映画製作が再開するのは4月1日以降になる見通しだと伝えている。

編集=上田裕資

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