ワシントン・ポストによると、マクラッチーが発行する30の日刊紙は今後も発行を続けるが、同社は5000万ドルの資金をEncina Business Creditから借り入れるという。
マクラッチーの株式は間もなく上場廃止され、破産申請が適用され次第、会社の支配権はニュージャージー州のヘッジファンド、「チャタム・アセット・マネジメント」が握ることになる。
同社は2004年に45億ドルを注ぎ、競合のKnight-Ridderを買収し、発行部数を拡大したが、同時に20億ドルの負債を追加で抱えることになった。報道によると、破産プロセスにおいて7億ドルを超える負債が整理対象となり、60%が免除される見通しという。
マクラッチーの株価は現在、75セント付近での取引となっているが、2005年のピーク時の株価は740ドルに達してた。
ピュー研究所のデータによると、2008年から2018年の間に新聞業界の雇用は約50%減少したという。2008年の金融危機以降に紙の新聞の売上は低下し、フェイスブックやグーグルの台頭が新聞の収益性を低下させた。
地元紙が存在しない米国の郡は現在、225に達している。地元紙がある地域においても、その半数は週1回発行の新聞が1紙のみ存在している状態だ。
かつてマクラッチーのワシントンDC支局長を務めたJames Asherは、「ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズらが、全米ニュースや国際ニュースに注力したのとは対照的に、マクラッチーはローカルニュースに注力し、それが経営破たんにつながった」と述べた。
1857年に設立のマクラッチーは、2004年には20年連続で発行部数の増加を達成していたが、金融危機やインターネットの普及により、急速に業績を悪化させていた。