フォーブス ジャパン コミュニティプロデューサー

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オランダのビールブランド「ハイネケン」の広告動画が話題だ。「cheers to all(みんなに乾杯)」という名の動画は、バーでお酒を注文した男女それぞれの飲み物が間違って届けられるシーンから始まる。



カクテルを頼んだ男性のところにビールが、ビールを頼んだはずの女性にはカクテルが渡される。こんな経験は誰にでもあるのではないだろうか。

性別によって好みの飲み物は変わらない。しかし、頭のどこかで「ビールは男性が飲むもの」、「カクテルは女性が飲むもの」といった固定概念ができてしまっているケースがある。その結果ウェイターやウェイトレスが渡す人を間違えてしまう、という動画だ。

最後のシーンは、「男性もカクテルを飲む」というメッセージで締めくくられる。ハイネケンというビールの会社が、自社のビールを売り込むような直接的な宣伝ではなく、「カクテル」について言及することで、性別による偏見や思い込みに対して誠実に向き合っている姿勢を見せることに成功している。

一方で、裏を返せば「女性もビールを飲む」というメッセージであるとも言える。しかしこのように締めくくられたら、自社のビールをより多くの人に飲んでもらいたいだけでしょ?という反応だったかもしれない。

「カクテルは女性だけのものではない。つまり誰でも好きな飲み物を飲んでもいい」と視聴者に想像力を働かせる秀逸なメッセージの作り方が多くの人の心を掴み、この動画が多くの人に見られているのだろうと考察する。

文=井土亜梨沙

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