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アリゾナ州フェニックスに本拠を置くEVスタートアップ「ニコラ・モーター(Nikola Motor)」は、水素燃料電池で駆動するセミトレーラーでトラック業界に変革を起こそうとしている。

そのニコラがピックアップトラック市場に参入し、イーロン・マスク率いるテスラや「リビアン(Rivian)」に挑戦状をたたきつけた。

テスラの「Cybertruck」やリビアンの「R1T」はリチウムイオンバッテリーを搭載し、航続距離が300マイル(約482キロ)であるのに対し、ニコラが発表した「Badger」は、セミトレーラー用に開発した燃料電池とバッテリーを組み合わせることで2倍の航続距離を目指すという。また、馬力は906馬力を超え、静止状態から時速96キロまでわずか2.9秒で加速する。水素ステーションがない地域に住むドライバー向けに、バッテリーのみで駆動するモデルも提供するという。

「Badgerの生産によって、セミトレーラー向け燃料電池の部品コストを下げると同時に、水素ステーションの展開を加速することができる。燃料電池とバッテリーの2つのモデルを提供することで、全ての顧客のコストを下げることが可能だ」とニコラのMark Russell社長は話す。

ニコラによると、9月にフェニックスで開催される同社の年次イベント「ニコラ・ワールドカンファレンス」でBadgerの一般向けデモを行うという。2月10日に行われた発表では、価格や生産開始時期に関する言及はなかった。同社はBadgerを宣伝するため、ディスカバリーチャンネルのテレビシリーズ「Diesel Brothers」とタイアップし、番組の中でBadgerのデザインやプロトタイプを使ったテストの様子を紹介するという。

まだ黎明期にあるEVピックアップトラック市場では、ブランド力で勝るテスラに分があるように見える。しかし、マインクラフトの世界から飛び出してきたようなデザインをしたCybertruckがどれだけ売れるかは不明だ。もう一方のライバルであるリビアンは、EVのピックアップトラックとSUVの量産化を今年後半に目指しており、投資家から30億ドルを調達している。ニコラとリビアンの車両は、いずれも機能こそ未来的だが、外観は伝統的なデザインを踏襲している。

来年後半に商用生産を開始


ニコラは、これまでに6億ドル以上の資金を調達し、ボッシュやメリトール、イヴェコ、韓国のハンファ、ノルウェーのネルなどの企業と組んで水素燃料電池で駆動するセミトレーラーの量産化に取り組んでいる。燃料電池車は、水素と酸素の化学反応によって発電し、電力以外には水しか生成しない。

ニコラは、2021年後半にセミトレーラーの商用生産を開始し、米国中に大規模な水素ステーションのネットワークを構築する予定だ。通常、水素は天然ガスから取り出されるが、ニコラは炭素排出量を削減するために水と再生可能電力から生成するという。

過去数十年に渡ってガソリン車と軽油車のピックアップトラック市場を独占してきたフォードとGMもEVモデルの開発を手掛けているが、両社ともまだ車両デザインを公表していない。

「ニコラがこれまでセミトレーラーの開発で培った技術には莫大な価値があり、これらを活かしてピックアップトラックを開発しようという考えに至った。何年も前からピックアップトラックの開発を構想してきたが、市場では終日走行しても電池が切れないEVピックアップトラックを求めるニーズが高まっており、ようやく機が熟したと言える」とニコラの創業者兼CEOのTrevor Miltonは語った。

編集=上田裕資

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