ビジネス

2020.02.14

組織づくりの秘訣は「正直なコミュニケーション」にアリ|JapanTaxi 川鍋一朗

JapanTaxi代表取締役社長の川鍋一朗氏

国内No1のタクシー配車サービス「JapanTaxi」アプリなど、タクシー業界のIT化を次々と推し進めるJapanTaxi。同社代表取締役社長の川鍋一朗氏はタクシー業界最大手「日本交通」の3代目として会長も務める。川鍋氏に起業家の素養や事業立ち上げのポイントなどについて聞いた(全6話)。

※本記事は2019年4月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。

正直なコミュニケーションの徹底


──組織作りにおいて意識していることをお聞かせください。

私が意識しているのは「正直なコミュニケーション」です。

ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンが掲げた10ヶ条というものの中で、私が印象に残っている言葉あります。それは「情報を共有しよう。情報を共有するほど、互いの理解は深まる。(原文 ‘Communicate everything you possibly can to your partners. The more they know, the more they’ll understand.’)」という言葉。

この言葉には続きがあって、「この結果として競合に情報が渡る可能性がある。しかしそのデメリットよりもメリットの方がはるかに大きい。だから臆することなく情報を共有せよ。」とウォルトンは言っているのです。

もちろん、当時よりも今はコンプライアンスなどに対するルールが整っているので現代的な解釈が必要になりますが、組織づくりの原則として真実を述べた言葉だと思っています。

私は本当に言ってはいけないこと以外、すべて社員に共有しています。月一回の全体会議の場でも、自社サービスの状況や競合状況、海外動向など、思っていることをそのまま話すようにしています。あまりに正直に話すため「歩くセキュリティホール」と言われてしまうこともあるほどです。(笑)

情報をオープンにすることはリスクも伴いますが、それでもメッセージが浸透していることによるメリットが大きい。なので「正直なコミュニケーション」は、組織づくりの基本として大切にしています。
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文=堀田慶介 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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