※本記事は2019年4月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。
正直なコミュニケーションの徹底
──組織作りにおいて意識していることをお聞かせください。
私が意識しているのは「正直なコミュニケーション」です。
ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンが掲げた10ヶ条というものの中で、私が印象に残っている言葉あります。それは「情報を共有しよう。情報を共有するほど、互いの理解は深まる。(原文 ‘Communicate everything you possibly can to your partners. The more they know, the more they’ll understand.’)」という言葉。
この言葉には続きがあって、「この結果として競合に情報が渡る可能性がある。しかしそのデメリットよりもメリットの方がはるかに大きい。だから臆することなく情報を共有せよ。」とウォルトンは言っているのです。
もちろん、当時よりも今はコンプライアンスなどに対するルールが整っているので現代的な解釈が必要になりますが、組織づくりの原則として真実を述べた言葉だと思っています。
私は本当に言ってはいけないこと以外、すべて社員に共有しています。月一回の全体会議の場でも、自社サービスの状況や競合状況、海外動向など、思っていることをそのまま話すようにしています。あまりに正直に話すため「歩くセキュリティホール」と言われてしまうこともあるほどです。(笑)
情報をオープンにすることはリスクも伴いますが、それでもメッセージが浸透していることによるメリットが大きい。なので「正直なコミュニケーション」は、組織づくりの基本として大切にしています。