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スーパーのレジ係や自動車の組み立てなど、ロボットが働く職場は日常になりつつある。最近では、運転や感情の判別などの複雑な作業にもロボット技術が導入されるようになった。

現在人間が行っている仕事のうち、半分ほどが2055年までに自動化されると予測されているが、仕事を人間からロボットに移すことで良い影響もあるかもしれない。新たな研究から、ロボットを活用することで偏見と差別が減る可能性が浮かび上がった。

米国心理学会(APA)の学術誌アメリカン・サイコロジストに発表された研究結果によると、人は働くロボットのことを考えるだけで、異なるグループの人々が持つ共通点を多く気付けるようになるようだ。調査の参加者らは、働くロボットに対する意識が高まるにつれ、移民に対してや、自分と異なる宗教・人種・性的指向の人に対してより受容的な態度を取るようになった。

つまり、人間ではないグループの存在がロボットによって強調され、偏見が減ったのだ。研究チームは「人間とロボットの間の大きな違いにより、人間同士の違いが通常より小さく見えるようになるのかもしれない。キリスト教徒とイスラム教徒の間には信仰の違いがあるが、少なくとも両者には生身の体がある。また中南米系とアジア系が食べるものは違うが、少なくともどちらも食事をする」と述べている。

参加者らは、人々を人種や宗教で分類する代わりにロボットについて考えることで、自分たちが全員人間という分類に属していると考えるようになったのだ。

ロボットが人種間の給与差を解消


人々はロボットを意識することで、考え方だけではなく行動も変化した。行動の変化を達成することは、偏見の根絶を目指す企業にとって究極の目標だ。

ある研究では、参加者らは架空の労働者グループに対してボーナスを配分するよう指示された。参加者らは構成員全員の写真と役職を見た後で、それぞれにいくらのボーナスを渡すかを決めた。

その結果、人間だけのグループには少数派の人種に対して差別的なボーナス配分が行われたが、グループに人間とロボットが両方含まれていた場合では人種の違いを超えて平等に給与が割り当てられた。

人間のみのグループで黒人労働者が受け劣った金額は白人労働者よりも平均で4.67ドル(約510円)少なかったが、ロボットが含まれるグループでは白人と黒人の平均額は同じだった。ロボットが加わることで、人種間の給与差が消滅したのだ。

編集=遠藤宗生

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