ロボットの活用は人種・性差別の減少につながるのか?

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性差別への影響は?


この研究では、ロボットを導入することで人種間の給与格差が減る可能性が示されたが、ロボットが男女間の給与格差に関してどのような影響を与えるかははっきりしない。研究を率いたジョシュア・コンラッド・ジャクソンは「自動化により男女間の共通点が強調されれば、性別上の偏見も減るはずだ」と述べている。

ただしジャクソンは「多くのロボットには性別があることが、自動化による性差別解消の妨げとなるかもしれない。(映画『スター・ウォーズ』シリーズのロボット)C-3POの人種は分からないが、性別は確実に男性だ」とも指摘している。

つまり、一部のロボットには性別が与えられているが、人種は与えられていないため、性差別を減らする上で人種差別と同等の効果がないかもしれないということだ。実際、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は昨年の報告書で、Siriやアレクサといったバーチャルアシスタントが女性の声を使用していることで、性差別が減るどころか性別に関する固定観念が助長されていると指摘した。例えば、Siriとアレクサの形容する言葉としては、「謙虚」や「役に立つ」が頻繁に使われていた。

コンピューターは、より人間に近く見えるよう特定の性別の声や見た目を与えられている。しかし研究結果からは、ロボットを作る際にはその逆をすべきであることが示唆されている。人間が自分たちの間により多くの共通点を見つけることができるよう、ロボットの見た目は人間とかけ離れたものにすべきなのだ。

編集=遠藤宗生

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