I cover online marketplaces from a retail brand's perspective

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米アマゾン・ドット・コムが「プライム」会員向けに2019年に始めた無料の翌日配送は、小売業界に衝撃を与えた。このサービスについて、私たちは当初いくつかの疑問を抱いていた。そもそも、どうやればうまくいくのか? 答えはというと、フルフィルメントのネットワークを一段と強化することによって、だった。

次に、利益率にどんな影響を及ぼすのか、という疑問もあった。ふたを開けると、影響は最小限に抑えられた。そして、プライム会員の買い物をどれくらい増やせるのか、という疑問。実際は、かなり大きな効果が期待できるようだ。投資銀行のパイパー・ジャフリーの調査では、翌日配送が利用できることでプライム会員によるアマゾンの利用率は約30%増えると見込まれている。

米国ではウォルマートもすぐアマゾンに追随し、翌日配送に乗り出した。ただ、20年に入り新たな疑問も持ち上がっている。消費者はサステナビリティ(持続可能性)に関する目標を堅持するのであれば、商品の迅速な配送を求めることをどう正当化するのか、という疑問だ。

小売りメディアのフューチャーコマースが1月に発表した消費者調査でも、消費者が持続可能なビジネスの仕方を重視するようになっている現状が浮かび上がった。例えば、リサイクルショップなど、中古品や委託品を扱う実店舗を見て回ったり、実際にそこで商品を購入したりしたことがあると答えた人は、全体の42%に上った。また47%の人が、より少なく、より良いものを買うようにしていると答えていた。

この調査によると、アマゾンのプライム会員になっている回答者のうち、7%は更新するかどうか分からないと答え、中には配送は翌々日でもかまわないという人もいた。その一方で、消費者が電子商取引(EC)サイトに求めるもののトップ3は、無料配送(58%)、無料返品(46.75%)、翌々日配送(30.39%)となっていた。

持続可能性と利便性は両立できるか


アマゾンは、翌日配送が環境に与える影響はたいしたものではないとしているが、サプライチェーンの専門家の見解は異なる。アマゾンはこれまで、自社の研究に基づいて、アマゾンで買い物して商品を配送してもらう方が、自分で車で店に買い物に行くよりも環境に優しいと説明してきた。だが、例えばアマゾンで購入した複数の品物を個別に配送してもらった場合などには、それが成り立たなくなる。

編集=江戸伸禎

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