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マーケティング感性を磨いて時代を読む


まだ見ぬ、全く新しいものに作り変える。そのときには、具体的な仮説(〇〇ではないだろうか?)=「プロトタイプ」をたくさん考えて用意しておくことがとても重要なのだ。

だからコージー本舗はプロトタイプを、数えきれないほど作りまくった。多様な女性をプロジェクトメンバーに揃え、各自がターゲットの代弁者として考え抜いた。そして絞り込んだプロトタイプを、調査にかけた。まず直感でプロトタイプを作りまくるが、それを直感だけで判断しないことも重要なのだ。

複雑な調査である必要はない。プランナーでなくても、調査に不慣れなメンバーでも、簡単に実践し理解できるシンプルなリサーチにかけて、調査結果の読み解きは全員で意見を出し合うことがうまくいくポイントだ。同じ調査結果でも、そこからどんな情報をピックアップするかという読み解きも「正解」はひとつではなく、多様な角度から意見を寄せ合うことで、「最適解」が導き出せるものだからだ。


実際のプロトタイプの一部

メンバーに多様なターゲットを揃えて直感でプロトタイプを作りまくる。それを全員が理解できる調査にかけて確信をもって意思決定をすると、チャレンジングな商品を世に出せるのだ。



コージー本舗が2019年11月に新発売した「新・部分用つけまつげ EASY LASH」は、通常8万個売れたらヒットと言われる中、発売1カ月で30万個の売上を記録した。店頭では発売3日で売り切れ続出。モデルプレスの「トレンド」でもピックアップされた。つけまつげという商材がトレンドとして扱われるのは、実に5年ぶりとなる画期的なニュースだった。

「#10秒マツエク」というハッシュタグでツイッタートレンドにも浮上した。世の中の女性の間では「10秒マツエク」という認識で流通するようになった。マツエク・マスカラユーザーにも響いて拡散しやすいコンセプトが、「従来のつけまつげ」を超えて新しい形で世の中に受け入れられ始めたのだ。



ブランドプロデューサーの益若つばさは、「発表会にはインフルエンサーの友達がたくさん来てくれ、ニーズがあったということだと感じている」と手ごたえを教えてくれた。もし当初の計画通りにアイライナーから着手していたら、ここまでのブランド再生はできなかっただろう。

つけまつげ復活劇から学ぶ、リブランディングで陥りやすい罠にはまらずに、売れる商品を創り出すために「マーケティング感性」を働かせるコツは以下の3つだ。

1. 安易に流行りものに乗らない。ブランドの本質的価値を見極めてから、時代に合わせた正しい戦略を見極める。
2. アップデートだけで済ませない。商材にある固定概念の破壊、商品の使われ方、価格、店頭での買われ方まで全て刷新する。
3. いきなり調査しない。直感でプロトタイプを作りまくってから、全員が理解できるリサーチにかけて、確信をもって意思決定をする。

難しいことではない。ぜひ、使いやすいものから実践してみてほしい。

文=阿佐見綾香

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