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マーケティング感性を磨いて時代を読む


実践した3つのリデザインは以下だ。

A. 生活スタイルに合わせて「つけまの使われ方」をリデザイン!
B. ギャルの象徴という「つけまのイメージ」をリデザイン!
C. 「つけまの買われ方」をリデザイン!

まず「使われ方」のリデザイン。忙しい現代女性に合わせて、「10秒」で装着できるくらい簡単に使えるようにするために、カット不要の「部分用つけまつげ」に徹底的に特化した。コンセプトは「10秒マツエク」だ。


ナチュラルなもののみで全16種という異例の数をラインナップし、「気分に合わせたつけまつげ」として使われる新しい商品を実現した。1人の女性が、いつも同一のテイストではなく、多様なバリエーションを持つ傾向が顕著になった、現代女性のニーズにマッチすることを目指したのだ。

次に「イメージ」のリデザイン。従来のつけまつげと一線を画す、一見つけまつげに見えないパッケージデザインを採用。モデルではなくイラストを使用して多様性を表現。ネーミングも「黒目強調」「丸目カール」などのように、誰にとっても分かりやすい機能性に特化した。益若つばさの役割は、ギャルモデルではなく、多様な女性の「可愛い」を叶える職人気質のプロデューサーだ。

最後に「買われ方」のリデザイン。選びにくいつけまつげに、選び方の新しい基準を作った。仕上りを可視化したチャートで直感的に選びやすくした。



ワンコイン価格500円という価格は、高品質を維持できるぎりぎりのラインで、格段に手に取りやすくなった。パッケージサイズを、限界まで小型化したことで、面積の小さい売り場でも全種類配荷され、複数個買いを楽しみやすくなった。

表面的なアップデートだけで済ませるのではなく、商材にある固定概念の破壊、商品の使われ方、価格、店頭での買われ方まで全て刷新して初めて、「全く新しいもの」へのリデザインが可能となり、リブランディングが成功するのだ。

いきなり調査してはいけない理由


最後の罠は、「いきなり調査してしまう」だ。全く新しいつけまつげを作る必要があることが分かったからといって、ターゲットに「どんな『新しいつけまつげ』なら欲しくなるのか?」と質問しても、画期的なアイデアは出てこない。

重要なのは「具体性のある質問」を用意することだ。想像してみてほしいのだが「お昼、何食べたい?」とざっくり聞いたときに、「うーん、何でもいい」という答えしか返ってこない相手でも、「お昼、パスタと焼肉どっち食べたい?」と具体的な質問をすれば、「昼から焼肉は少し重いから、パスタが食べたいな」などの具体的な答えと理由が返ってきそうだ。

文=阿佐見綾香

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