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110年の歴史を誇るグリーティングカードの老舗の米「ホールマーク(Hallmark)」が、コストカットやオンライン販売への注力で、事業を立て直そうとしている。ソーシャルメディアが全盛の今、グリーティングカード業界は顧客離れが進んでいる。ホールマークの競合のパピルス(Papyrus)は先日、破産宣告を行った。

かつて人々が季節ごとに贈りあったグリーティングカードは今や、テキストメッセージやSNSのやり取りに置き換えられようとしている。

ホールマークの再生プランについて報じたウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、全米で約2000店舗を展開中の同社は今後、オンライン販売に注力を進め、新たなスタイルのリアル店舗の設置を検討しているという。

2000店舗のうちホールマークの直営店は数百店舗あるが、個人が運営する店の多くは廃業を検討しているという。同社の競合で70年以上の歴史を持つパピルスは、破産を宣告し、米国とカナダの245店舗を閉鎖する。これにより1400人が失業するという。

ワシントン・ポストの報道によると、経営不振に陥ったパピルスは買い手を探したが見つからず、コスト削減にも苦戦したという。ただし、ホールマークやパピルスのブランドが消えてしまうことはあり得ない。パピルスブランドを保有するAmerican Greetingsは、全米の2000店舗を通じてパピルスのグリーティングカードの販売を継続する。

一方で、ホールマークは知名度を活かして様々な事業を展開し、有料テレビネットワークの「ホールマーク・チャンネル(Hallmark Channel)」も運営中だ。

グリーティングカード業界の不振の背景には、様々な要因がある。Eコマースの隆盛に加え、近年は重要な販売拠点だったショッピングモールの閉鎖も相次いでいる。

コロンビアビジネススクール教授のMark Cohenは「グリーティングカードはSNSの絵文字に市場を奪われた」と話す。専門家の間からは、現代の米国人は郵便でグリーティングカードを贈るよりも、SNSに投稿することを好んでいるとの指摘もあがっている。

WSJによると、2019年の米国でのグリーティングカードの売上は45億ドルだったというが、過去5年で売上は13%低下したという。

1910年にミズーリ州カンザスシティで設立されたホールマークは、今でも創業家のホール家が所有し、年間40億ドルの売上をあげている。同社は事業領域を拡大し、ホールマーク・チャンネルの運営元のメディア企業「Crown Media Networks」を所有している。さらに、玩具市場ではCrayola(クレヨラ)も展開中だ。

グリーティングカード市場に登場した新たな競合といえるのがロボットだ。Handwrytten,やScribeless、LetterBotなどの企業は、データを入力するとハガキに人間の手書きに見える文字を書き込むロボットを販売している。

編集=上田裕資

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