ヤム・チャイナは店舗を3割閉鎖した結果、本来なら稼ぎ時である春節期間の既存店売上高が40〜50%落ち込んだ。同社は新型コロナウイルスによって、20年度第1四半期と20年通期の営業利益などに「重大な悪影響」が及ぶ可能性があるとしている。
最高経営責任者(CEO)のジョイ・ワットは新型コロナウイルスに関して「当社は従業員と顧客の健康と安全を最優先に考えており、従業員と顧客を守るために店舗や職場でさまざまな予防措置を講じている」と説明している。そうした予防措置には、配達員と顧客が接触しない形での商品の受け渡しなどが含まれる。
ヤム・チャイナは、閉鎖した店舗をいつ再開するのか、また今後さらに閉鎖するのかについての見通しは示していない。現時点では、ウイルスを封じ込められるかどうか分かっていないからだ。
ヤム・チャイナは、米ヤム・ブランズが16年に分離した中国事業で、中国でKFCや「ピザハット」など計9000店舗余りを展開している。ヤム・ブランズも世界で4万9000店超を運営し、またヤム・チャイナからライセンス料を徴収している以上、今回のウイルス流行とは無縁ではいられない。
一方、ファストフード最大手、米マクドナルドCEOのクリス・ケンプチンスキーが19年度第4四半期の決算発表で述べたところによると、湖北省で閉鎖した店舗は「数百店」規模に上る。中国国内のほかの3000店舗は営業を続けている。
ケンプチンスキーは従業員と顧客の安全とケアを確実にすると約束すると同時に、中国はマクドナルドにとって非常に重要な戦略的市場だとも強調した。ただ、全世界の店舗数や収益に占める中国の割合は小さいので、新型コロナウイルスによる同社への影響は軽微との見通しも示している。