聞く力を上げるために断つべき3つの言葉

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あらゆる人が素晴らしい聞くスキルを持ちたいと言うものだが、実際にそのスキルを持つ人は残念なことに少ない。

私が創業したコンサルティング企業「リーダーシップIQ(Leadership IQ)」の調査「The Risks Of Ignoring Employee Feedback(従業員フィードバックを無視するリスク)」では、大半のリーダーがきちんと聞けていないことが分かっている。

例えば、リーダーに仕事に関する問題を共有したら常に建設的な方法で答えてくれると答えた人はわずか23%だった。それと対照的に17%の人は、リーダーが建設的な答え方をすることは全くないと答えた。

こうしたリスニングスキルの低さは事業の収益に影響を与えるはずだ。仕事での問題を共有したときにリーダーが必ず建設的な答え方をすると答えた回答者の場合、企業を素晴らしい雇用主として推薦する確率が約12倍となることが分かったからだ。

聞くスキルを素早く上達させるには何ができるのだろう? 最初のステップは、あなたの発言からここで挙げる3つを消すことだ。

まずは例を挙げる。親しい友人と話している場面を想像しよう。友人の働く会社は、非常に厳しい財務状況とレイオフ(一時解雇)を経験している。友人が「来月になっても自分が働けているかがとても不安で、ストレスでいっぱいだ」と言ったとする。あなたは「私も数年前に同じ状況を経験した」と答える。

あなたのこの答えは共感的なものだろうか? これは、リーダーシップIQが行ったインターネットアンケート調査「Do You Know How To Listen With Empathy?(共感を持って聞く方法を知っている?)」で実際に尋ねた質問だ。数千もの答えを分析した結果、現時点では約40%の人が上記の答えを共感的だと思っていることが分かっている。しかし残念なことに、これは間違っている。これは共感的な答えではない。

なぜこの答えは良くないものなのだろうか? 他の人が似たような経験をしたことがあると知ることで慰めにはなるかもしれないが、この答えは友人に対し、相手の経験は特に相手に限ったことではないと言っているのと同じだ。またこの答えは、会話の焦点を友人から自分自身に移している。

この例を背景とし、聞き上手になりたいならば今すぐやめる必要がある他の3つの言葉を見てみよう。

1. 「私も問題を抱えている」「私にも〇〇なときがあった」


誰かが自分の気持ちを共有している瞬間を、あなた自身の不満をぶちまける自己中心的な機会にしてしまうことほど「あなたよりも自分の方が重要だ」と主張するものはない。誰かの話を聞いているときは、相手の発言について考えるべきだ。会話の方向性を変え、相手に「あなたが今言ったことは重要ではないので、今からは私自身について話す」と言うことほど、ひどいことはもちろんない。
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翻訳・編集=出田静

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