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2020.02.11 11:30

イケアが進める都心部進出、「駐車場がない店舗」を出店へ

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とはいえ、一部のパネリストからは、この新たな戦略に異を唱える声もあがった。イケアはこれまで長いあいだ、都市部以外の地盤で成功を収め、顧客の支持を得てきた。配送に重点を置く構想は、これまでのこうした成功を犠牲にするものであってはならないと、これらの論者は釘を刺す。

「消費者がイケアに行くのは、自分が買った物をその日のうちに持って帰れるからだ」とコメントしたのは、カイザー&ベンダー(Kizer & Bender)の代表を務めるジョージアン・ベンダー(Georganne Bender)だ。「私の家の最寄りにあるイケアの店舗では、特に週末になると駐車場が常に満車に近い状態で、店舗に近寄ることさえできない。環境保護に貢献しようとするイケアの狙いは私にもわかるし、その姿勢は評価できる。だが、イケアで買い物をする人たちの実態とはかけ離れている。なぜ、すでに成功している戦略に、手を入れようとするのだろうか?」

また、アフィリエイテッド・フーズ(Affiliated Foods)のリチャード・ヘルナンデス(Richard Hernandez)は、「こうした(小規模店舗の)フォーマットと、30万平方フィート(約2万8000平方メートル)の売り場面積を持つ大型店のフォーマットという、両方の長所を生かした中間型のフォーマットが生まれる可能性もある」と述べた。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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