「1億円で衛星打ち上げ代行」、スペースXが予約サイト開設

Photo by Joel Kowsky/NASA via Getty Images

スペースXは先日、宇宙へ向かう「ライドシェア」に参加を希望する企業向けのガイドラインを公開した。ここで言うライドシェアとは、ロケットを単独で打ち上げる資金は無いが、乗り合い形式で自社の衛星を宇宙に送り込みたい企業を対象としたものだ。

イーロン・マスク率いるスペースXは、様々なペイロードを積載可能な二段式ロケット「ファルコン9」でこの任務を実現しようとしている。ファルコン9は既に国際宇宙ステーション(ISS)にドラゴン補給船を運んだほか、NASAのトランジット系外惑星探索衛星「TESS」の打ち上げも実施した。

さらに、衛星インターネット網の構築を目指すスターリンクの小型衛星も打ち上げている。

スペースXは先日、ファルコン9のライドシェアサービスの申し込み用サイトを開設した。重量200キロの衛星を宇宙に運ぶための費用は、最低100万ドル(約1億円)からとされており、重量が1キロ超過するごとに5000万ドルの費用が追加で必要になる。

衛星の軌道はSSO(太陽同期軌道)やLEO(地球低軌道)、POLAR(極軌道)から選択可能になっており、SSOを選んだ場合は衛星のソーラーパネルを常に太陽の方向に保ち、充電が行える。

打ち上げ日程は最短で2020年6月が選択可能で、4カ月ごとの打ち上げが予定されている。仮に衛星の準備が間に合わなかった場合は、先送りが可能となっており、その場合は10%の手数料が追加で必要になる。

スペースXは打ち上げサービスを利用する企業向けに72ページに及ぶマニュアルを用意しており、検討すべきポイントを解説している。そこには衛星のサイズや要求される耐久性能、宇宙空間における環境、打ち上げサービス全般に関する詳細なガイダンスが開示されている。

衛星打ち上げサービスの予約は、ホテルを予約するほど簡単ではないが、スペースXは企業からの疑問に応えるためのリソースをサイト上に用意している。予約にあたっては、保険などの付帯サービスを同時に申し込むことも可能で、オンライン上で予約のデポジット金の支払いも行える。

編集=上田裕資

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