ビジネス

2020.02.13

現役アメフト選手で起業家。「週4社長」が切り拓く、新たなアスリート像

Revive CEOの前田眞郷


「コアファンだけでなく、ライトなファンにも働きかけていくのが今後の課題です。自身が持っている“アスリートの価値”をどのように使えば、自分の目指す世界を社会に訴求し、実現させることができるのか。アスリートを中心としたコンサルティングやアカデミー事業にも取り組んでいきたいと考えています」(前田)

ブランディングとマーケティングの面で選手をバックアップし、現役中に限らないアスリートの持続的価値を生み出します。

また、こうした事業を推進するうえで、なによりの強みになっているのが、CEOの前田氏自身がアスリートであり、キャリアコンサルタントの素養を持ち合わせていること。アスリート同士にしかわからない将来の悩みや不安を、前田氏になら話せる。そんな安心感から、心を開いてくれるアスリートが多いのだという。

「アスリート同士で会話してみると感じるのですが、どこか言語化できない、動物的な部分で通じるものがあって。すぐに仲良くなれたり、心を開いてくれるのは、この領域でビジネスをするうえで大きな強みですよね」(前田)

そうした強みを活かし、Reviveは従来のアスリートマネジメントとは一線を画し、競技生活中だけではなく、将来の人生を見据えた持続的価値を生み出す為のブランディング、マーケティングをサポートする「クリエイティブパートナー」事業も展開している。現在、浦和レッズに所属する杉本健勇選手のサポートを手がけている。

起業がアメフトにも良い影響をもたらす


現役選手の傍ら、経営者としてサービスを磨き込むのは、並大抵の努力ではないはずだ。現在、自らが「新しいアスリート像」のキャリアを歩む中で、苦労したり、難しいと感じる点はないのだろうか。



「個人的には、起業したことで、アメフトにも良い影響をもたらすことができたと感じています。起業するまでは『自分が活躍しないとダメだ!』という思考だったのですが、みんなが活躍するためには、自分が犠牲になる局面が必要だと感じ、プレーの中で冷静になれるようになったんですよね。

俯瞰して周りを見れるようになった結果、今年の春にはチーム内でのMVPになることができて。決してビジネスがスポーツの邪魔にならないことを証明できたのではないかと思っています。」(前田)

「アスリートの価値」を社会に還流することを目指し、ビジネスを推し進める一方で、前田氏自身が価値を体現し、社会へ、そしてアスリートへ、新たな背中を見せている。Reviveの思想が社会に知れ渡り、アスリートが次々と面白いチャレンジをする未来が近い将来、きっとやってくるはずだ。

文=半蔵門太郎 写真=小田駿一

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