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Revive CEOの前田眞郷

ラグビー日本代表のW杯ベスト8、大坂なおみの全豪オープン制覇、侍JAPANの「プレミア12」制覇、久保建英のレアルマドリード移籍…。昨年は数多くの明るいスポーツニュースが紙面を彩った。今年は東京五輪の開催も控えており、より一層スポーツ業界が盛り上がることが予想される。

メディアを通じて選手の努力を知り、歓喜の瞬間を目撃するなかで、日々の活力を与えられた人も多いのではないだろうか。そんな神がかった活躍を魅せてくれる選手にも、いずれは引退のタイミングが訪れる。そして、引退後には「セカンドキャリア」の選択が待ち受けている。多くのファンは「競技」を通じたファンであり、選手「個人」のファンではない。現役時代に知名度を培ったとしても、新しいチャレンジに還流できないことが、セカンドキャリアを考える上での課題となっていた。

そんな課題の原因を、「アスリートだけが悪いのではなく、メディアや組織を含めた構造の老朽化に依るもの」だと語る人物がいる。アメリカンフットボールのプロチーム「オービックシーガルズ」の現役選手であり、ReviveのCEOという顔を持つ前田眞郷(まえだ・しんご)だ。

前田は「“個の時代”の余波は、アスリートにも確実に広がっている」と語った上で、アスリート個人が発信する重要性を強調する。Reviveが実現しようとしている「次世代のアスリート」の姿を語ってもらった。

「競技に集中しろ」という批判を減らす社会に


前田眞郷は、ReviveのCEOを務める一方で、社会人アメリカンフットボールチーム「オービックシーガルズ」に所属する現役アスリート。公式戦と練習、ミーティングなどを除く時間を仕事や会食に充てる、まさに「二足のわらじ」の生活を送っている。

「リーグ戦は基本的に週末。試合以外だと、試合前日の全体ミーティングや練習、週2〜3日の自主トレーニングだけで、可処分時間が週4日近くあるんです。多くの選手は競技だけでは食べていけないため、会社に勤めています」(前田)

前田自身も例に漏れず、アスリートとして活動する傍ら保険会社に勤めていた。主な仕事は、アスリートを専門とした資産管理業務。普段は関わることのできない他種目の選手と関わり、リアルな懐事情を覗くなかで、アスリートのキャリア構築に課題感を抱くようになっていった。

「さまざまなアスリートと話をするなかで感じたのは、自分自身のキャリアや価値を、“競技以外”の視点で考えられるひとが非常に少ないこと。多くのアスリートが解説者やコーチといった、競技に根ざしたセカンドキャリアを選択しています。

しかし海外を見てみると、引退後のみならず、現役中からまったく違う世界の活動を始めるアスリートは決して珍しくありません。たとえば、総合格闘技のスーパースター、コナー・マクレガー選手は、自身のウイスキーブランドを立ち上げて、1年目で年商1000億円を計上しています」(前田)

文=半蔵門太郎 写真=小田駿一

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