AI通信「こんなとこにも人工知能」

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メッセンジャーアプリ・LINEの親会社であるNAVERが、興味深い人工知能(AI)サービスを韓国でリリースした。その名も「クローバ・ダビング」。

クローバはNAVERが開発するAIの名称だが、同サービスは音声の録音データがない動画に対して、AIで加工したボイス(以下、AIボイス)を作成・貼り付けることができるというものだ。これまで、動画にはアフターレコーディングやナレーションを必要とするケースもあり、その作業は手間がかかるものだった。それが、同サービスを使うことで簡単に音声を加えることができるようになる。

AIボイスの作成は非常に簡単だ。ユーザーは音声化したい内容をテキストとして入力する。その後、生成されたAI音声を編集ソフト上で動画のタイミングに合わせて追加するだけである。

クローバ・ダビングは、大人・子供、男性・女性、喜び・悲しみなど、さまざまな個性を持った21種のボイスを提供している点が特徴だ。ユーザーは、動画のシーンに合せてそれら“トンマナ”を指定するだけで済む。他にもAIボイスの速度・音量調整機能、また笑い声や動物の音など効果音も提供されている。加えて、今年中にはさまざまな外国語向けサービスも開始される予定である。

クローバ・ダビングに限らず、昨今リリースされるサービスおよびプロダクトの動向を見ていると、2020年はAI利用の敷居がぐっと下がる1年となる気もする。エンジニアや専門家、もしくは予算がある大企業でなくとも、AIをビジネスや趣味に利用できる環境が少しずつ整い始めている。日本のAI企業関係者は言う。

「ここ数年で技術的なものはとてもこなれてきていますし、オープンソースなどを使ってある精度を担保できるAIを簡単につくれるようになってきました。これから先は、ビジネスに導入、もしくは個人で使用するあたりコストもどんどん低下していくでしょう。AIを現場に入れていくためには、AIの知識だけでなく各ビジネスドメインの知識、また双方の相性を理解する必要がありますが、いずれにせよ、より多くの人がAIを手軽に使える時代は刻一刻と近づいていると思います」

“AIの民主化”とまで言うと少し大袈裟かもしれないが、計算機やエクセルを使うように、我々が自然と人工知能を使うようになる日は意外と近いのかもしれない。

連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河 鐘基

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