心理療法士が勧める、悪習を断つ3つのステップ

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2. 自分で障壁を作る


リストを活用しても対処しきれないこともある。悪習は非常に都合が良いからだろう。気をつけなければ、誘惑はすぐそこで私たちを待っている。

2つ目のコツは、誘惑に負けるのを難しくすることだ。このコツを実践する難易度は状況によって変わる。飲酒と喫煙を断とうとしている場合はどちらも家に置かず、バーに行かなければよい。

しかし、それほどシンプルでない場合もある。

私は、砂糖の摂取量を減らしたい女性を相手にしたことがある。問題は、彼女の夫は砂糖の摂取量を減らそうとしていなかったことだった。そのためこの夫婦は、夫だけが知るクッキーの隠し場所を作るという解決策を思いついた。

自分の悪習に対し、どのようにして障壁を作れるかを考えよう。インターネットを見ているときに衝動買いしてしまう人は、コンピューターにクレジットカード番号を保存させないこと。また、クレジットカードは車のトランクなど手に入りにくい場所に保管する。

携帯電話でソーシャルメディアを使うことに少し依存していると思う場合は、時間制限をかけられるアプリが使える。こうしたテクニックは、問題を克服してまで悪習を続ける価値をなくすことで役に立ってくれるだろう。

3. 自分だけのマントラを考える


あなたの心が自己不信で満ちていれば、リストと障壁を作ってもまだ効果的とは言えない。屈服するよう誘惑する自分の脳に抵抗するのは難しい。あなたは「私には、この後ろめたい喜びを得る資格がある」「少し味見をするだけなら害はない」と自分に言い聞かせてしまうかもしれない。

そこで、自分に悪い決断を下させるような考えを抜け出すためのマントラを作ろう。

私が扱ったある女性は、寂しくなったり悲しくなったりすると元彼にメールする誘惑に駆られていた。短時間のメッセージ交換で、こうした感情が一時的に緩和されたことが時々あったのだ。しかし、彼女は自分たちの関係が有害なことを知っていて、元彼と連絡を取り続けることは長期的には弊害をもたらすことを知っていた。

そのため彼女は、彼にメッセージを送ってしまいたくなったときには毎回「自尊心」という言葉を何度も繰り返し自分に言い聞かせた。こうすることで、彼に再び連絡を取ることは、相手が自分を不当に扱うのを許すようなものだということを思い出すことができ、彼と話したい気持ちが弱まった。

悪習に抵抗するための自分だけのマントラを作ろう。それを繰り返すことで、悪習を断とうとしているときの自制心が大きく上がる。

あなたの価値は、最悪の習慣によって決まる。人生で邪魔になっているものを断てば、良い習慣がはるかに大きな効果を持つだろう。

失敗はプロセスの一部だということを忘れないように。間違うときもあるだろうが、諦めてはいけない。どんな過ちも、改善を遂げて心を強くする機会と考えよう。

翻訳・編集=出田静

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