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フォーブスジャパン編集部


「お客様の中には、窓のない部屋、バルコニーのない部屋で息苦しい思いをされている方もいらっしゃるかと思います。少数のお客様にグループで時間を決めたうえで順番に、皆さまに外の空気を吸っていただけないか、検疫当局から許可を得られるように調整を進めております」

これを受け、2月7日には少数グループごとに上記のような乗客が順番に船のデッキ上に出られるように配慮されたようだ。

浦島教授は「狭い空間に2人で過ごすとして、14日間も同じ客室内に留まれば、窓がなければ、気持ちがふさがり、辛くなる。そうすると、うつ病が心配されるので心理的なケアが必要になります。また、一時的であっても外に出られる機会があると良い」と語る。

また「高齢の乗客が多い中で、エコノミー症候群とともに心筋梗塞や脳卒中などの合併症も起きうる」と指摘。これらを防ぐため、なるべく体を動かすようにした方が良い。また、水分をこまめにとることも勧めている。下船までの期間が長期化すれば、心理的な影響を受け、健康を害する可能性もある。2月7日時点で、災害派遣として医療支援のため医官を含む自衛隊員が乗船したことから、今後、心のケアも行われていくだろう。


船内に貼られた手洗いに関する注意書き (@daxa_tw)

すでに船内では衛生指導が行われており、客室にマスクや食事を運ぶなどの対応がとられている。また、乗客は以下のような手洗いの指導を受けているという。

・少なくとも20秒間石鹸で手を洗い、流水でよくすすいでください
・呼吸器疾患を持つ人との密接な接触を避ける
・咳やくしゃみをするときは鼻と口を覆う
・洗っていない手で目、鼻、口に触れないでください

このほか、食事の時は相手と2メートルほど離れてするように、などの指導がされている。

心のケア、船内では娯楽の工夫も



客室に配られたという折り紙と数独のシート (@daxa_tw)

こういった衛生指導と同時に、船内の乗員による乗客への心理的影響に対する配慮や工夫も垣間見られる。

プリンセスクルーズを運営するカーニバル・ジャパン(東京都)によると、乗客は家族や関係者との連絡手段として無料のインターネットと電話回線を提供しており、客室内で少しでも快適に過ごせるようにテレビ番組や映画の上映、そのほかの娯楽を用意しているという。

乗客によると、2月7日午後3時半ごろには、客室に新たに体温計とゴム手袋のほかに、折り紙と数独が届いたという。少しでも気分転換になれば、といった配慮だろう。

乗客はもちろん、その家族も心配が大きい。7日には「ダイヤモンド・プリンセス」の家族向けに相談窓口も開設された(0800-170-6282)。未だ、このクルーズ船には3500人ほどの乗客や従業員が残されている。偶然にも日本の港で起きた、今回のクルーズ船での出来事をきっかけに、災害時と同様に、集団感染が発生した際の心理的ケアのあり方についても議論されるべきだろう。

文=督あかり

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