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2020.02.12

躍動する起業家たち、切り開かれる未来。「ENTX」から見えたエンタメ×ビジネスの光

2年目となったソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)によるアクセラレーションプログラム「ENTX(エンタエックス)」。採択されたスタートアップ5社がその成果を競い合うデモデイが開催され、最優秀賞などが決定した。

有望なスタートアップを採択して支援するのが「ENTX」のミッション。ソニーミュージックグループという企業から連想されるのは音楽やアニメといった領域だが、このプログラムでは募集テーマをあえて絞らず、スポーツ、飲食、旅行、ライフイベント、居住空間、教育、ファッション、広告・マーケティング、ヘルスケア、コマース等、その幅広さが特徴となっている。

実際、第2期で採択されたスタートアップ各社も、フィットネス、業務効率化、マッチングなど多種多様なサービスを提供している。

採択後、デモデイまでの期間はソニーミュージックグループ社員がメンターとして傍につき、並走しながらサービスを形にしていく。それだけでなく、 グループ所属のASIAN KUNG-FU GENERATION後藤正文氏をはじめとした外部メンターとの対峙の機会や、同社オフィスやWeWork Iceberg、BASE Qでの活動も可能となる。

今回、デモデイの審査員を務めたのは、SME 代表取締役社長 COO・村松俊亮氏をはじめ、SME 取締役執行役員専務・妹尾智氏、SME 取締役執行役員常務・石川恵子氏、電通 CDC Future Business Tech Team 部長 事業開発ディレクター・中嶋文彦氏、eiicon company 代表・中村亜由子氏、Spiral Innovation Partners 代表パートナー・岡洋氏。

審査ポイントは明確で、企画の「魅力度」と「爆発力」で見分けるというのだ。魅力度とは、事業新規性、市場の魅力、実現可能性の総合判断。そして、爆発力は、解決している課題の深さやインパクト、ソニーミュージックグループ との相性、プログラムでの成長度合、経営者のカリスマ性で判断したという。

副賞100万円の最優秀賞を手にしたのは、ランニングなどのエクササイズに特化し、オーディオコンテンツを提供するBeatFit(ビートフィット)。同じく50万円のベストグロース賞は、モバイルアプリを使って飲食店に事前予約し、商品のピックアップをスムーズにするdinii(ダイニー)に決まった。

未来を担うサービスを熱く語った、各スタートアップのイノベーターたち。彼らはプログラムを振り返り、「ENTX」から学んだものを語った。

「多くの方から温かく見守ってもらえた」(BeatFit)



BeatFitは、月額817円(税込)から定額聴き放題のフィットネス音声ガイドアプリ。ランニング・ウォーキングやインドアバイクなどの有酸素運動から、筋トレ・ヨガ・瞑想まで10ジャンル。幅広いクラスの中から自分自身の体力や体調に合わせて運動を選び、体を動かすことに苦手意識がある人でも楽しめる。

これまでBGMは洋楽のカバーやインストゥルメンタルしか使用できなかったが、今回、SME との協業で邦楽コンテンツの導入を試し好評を得た。KOTONE、HARUKI、SATOKO ら人気トレーナーの発掘にも成功し、今後の展開が期待される。



代表取締役CEO・本田雄一は、プログラム参加前の会社設立当初はどこの企業も相手にしてくれなかったと振り返りながら「『ENTX』では社内外の多くの方々に温かく見守ってもらえた」と語る。また、「ソニーミュージックグループと相性が良いと分析しているので、一つずつ丁寧に関係を作っていきたい」と先々を見据えている。

「『ENTX』だから切り開けた」(dinii)



diniiは、行列を効率的に捌きたい飲食店やオペレーションを楽にしたい小売店に対してのサービスを展開。各店舗から商品を事前決済し、待たずして商品を受け取ることができるため、イベント時に待機列に割いていた多くの時間を割愛できる。

SMEが公式エンタテインメントパートナーを務める男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」所属の川崎ブレイブサンダースの協力を得て、試合時にdiniiを使った実証実験を実施。観客席にQR コードを貼り付け、ユーザーは diniiを利用した。観戦しながら飲食物やグッズを運んでもらえるので、大事なシーンの見逃しを防ぐことにつながったという。注目すべきは注文率の高さで、1回以上が78.2%、2回以上が30.7%となった。今後はユーザーが参加したイベントで購入したグッズなどのデータを分析して、さらなる有効な体験を追求していく。



「エンタテインメント業界はクローズドな部分があるので外側からのアプローチは難しい。でも、『ENTX』があったからこそリーチできる場面があった。頼もしく感じています」と代表取締役の山田真央は語った。

「いったん、ゼロに壊してもらって好転」(AsetZ)



AsetZ (アセッツ) は、メール内のすべての添付ファイル・共有リンクを 一元管理し、必要な情報をすぐに見つけ出すサービスを展開。エンタメとは近くないサービスでも採択するのが「ENTX」の特徴だ。

同社は、採択された段階でプロダクトを持ち合わせていなかった。そんな彼らが注目したのはソニーミュージックグループ社員の日常業務だった。音楽制作に携わるA&R(アーティストアンドレパートリー)チームを分析。すると、アルバム1枚を制作するまでに360人以上もの人が関わりをもち、5000通のメール、そして、2300個のファイルをやり取りしていることが判明した。これは様々な職種の社員100名の平均値の約6倍以上だ。それでは、必要とする情報をすぐに取り出せないのは無理もない。実際、メール検索に1日あたり平均の3倍の114分を要していることがわかった。今回は、「メールでやり取りしたファイルが見つからない問題」の解決に貢献したという。



「ふわっとしていた私たちのサービスを、メンターさんと話し合うなかで、一旦、ゼロに壊してもらった。結果的にそれが良く、なにもないという状況を認識して再度、立ち上がった。この流れのなかで、メンターの方が仲間になってくれたという実感が得られました」(AsetZ・村上智也)

「エンタメと恋愛は親和性がある」(Parasol)



Parasol(パラソル)は比較メディア「マッチアップ」運営をはじめ、恋愛領域の事業を一気通貫で手掛ける。「ENTX」に合わせ、デートコンシェルジュサービス「Forky」α版を2019年11月にリリースした。

マッチングアプリ利用者の悩みとなる「デート」を様々なかたちでサポートする。お店の提案は当然のこと、服の選び方や美容に関してもアドバイスするなど、それぞれのユーザーの悩みを解決。2週間で彼女ができたというケースもあるようだ。ソニーミュージックグループ社員も実際に体験したという。

今は人力でサポートしているものの、今後は効率化が可能な部分を自動化する。視点の先は遠くにある。この相談サービスを皮切りに、恋愛コンサルティングを目指し、3年後には月の売り上げを3億円にする。恋愛を深めるには音楽の存在も無視できない。SMEとの協業で多角的な展開ができるのだろう。



元々は動画でデートコースを配信するメディアというアイデアだったが、メンタリングの中で、情報過多の時代においてユーザーへのリーチが困難であると判断。そこでターゲットの変更を行った。「マッチングアプリは専門的な分野なので、俯瞰してアドバイスいただき感謝している。根本のビジョンは変えずによりターゲットに刺さるサービスに変えることができたのが良かった」「エンタメと恋愛は親和性がある。人の心を動かすサービスを一緒につくりたい」(伊藤早紀)

「SMEの長い歴史を随所に感じた」(picki)



最後はpicki(ピッキー)。Instagramやライブ配信アプリ等で自身のコーディネートやライフスタイルを発信するファッション系インフルエンサーが急増。彼らがもつ世界観はファンにとって揺るぎないものとなっている。そんなインフルエンサーの中には、自身でファッションブランド立ち上げを考える人もいる。そこで同社が可能にしたのは、1ブランド50着からの小ロットでの生産。在庫を抱えることなくブランドを立ち上げられるのだ。クリエイターと並走しながらブランドを構築するだけでなく、質の高い生産体制を担保しつつ、韓国や中国の工場と提携して国内生産よりもコスト削減するなど、多くの利益をクリエイターに還元することも目的としている。今回、SME との取り組みで、ファッション雑誌『VOGUE』にも取り上げられた。反響は十分で、多くのクリエイターから手が上がったという。目指すは、100人のインフルエンサーとの100ブランドの立ち上げだ。



「今回が初めて挑んだアクセラで、 “ソニーミュージックのアーティストを起用したい”というハードルの高い希望をメンターにプレゼンし続けたりと、当初は意思疎通が難しくて。ただ、音楽づくりと服づくりは似ている部分があって、SMEの長い歴史を随所に感じることができました。また、本当に直前までプレゼンの準備を一緒に考えていただき、並走していただいたことに感謝しています」(山口裕生)



「ENTX」のプログラムから感じられたもの。それはビジネスを通じて世の中の課題解決に向き合う起業家たちの熱意を受け止め、具現化させようとするSMEの意気込みだ。エンタテインメントのパワーとノウハウを様々なジャンルのビジネスに転化させ、昇華させる。ここに「ENTX」の存在価値がある。起業家たちの熱気が、これから世の中をどのように変革していくのか──そんな期待値が最高潮に達したデモデイであった。


【ENTERTAINMENT×INNOVATION EXPLOSION】

-ソニー・ミュージックエンタテインメントの挑戦、その全貌-

#1 これは、起業家版「スター誕生!」だ ソニー・ミュージックエンタテインメントのDNA
#2 アジカン・後藤正文が起業家に伝えた、「クリエイターの頭の中」
#3 本記事|イノベーターの叡智が集結。日本のエンタメを変えるビジネスが生まれた日

Promoted by ソニー・ミュージックエンタテインメント / text by Forbes BrandVoice Studio / photographs by Miho Noro

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