森岡 弘(以下、森岡):今回はアメリカのアウトドアブランドの老舗、ウールリッチです。
小暮昌弘(以下、小暮):わぁ、懐かしい! 1970年代に買ったウールリッチのマウンテンパーカ、私、いまだにもっています。
森岡:もしかしたら、アメリカまで取材に行かれたことがあるのでは。
小暮:いやぁ、行きたかったのですが、スケジュールの都合で、私ではなく、一緒にアメリカに行った相棒が本社へは行きました(笑)。ニューヨークから本社のあるペンシルベニアまでのルートを電話で尋ねた覚えがあります。
森岡:やはりウールリッチ の本社はアメリカの東側にあるのですね。
小暮:そうです。ペンシルベニア州の北部。いまも同じかどうかはわかりませんが、町の名前も「ウールリッチ」だったと記憶しています。
森岡:えっ、町の名前もウールリッチなんですね。ブランド名からすると、ウール=毛に関係があるのですか。
小暮:そうです。1830年、イギリスから移民としてやってきたジョン・リッチが毛織物工場を設立したのがブランドの始まりです。その毛織物工場はアメリカ初だったそうです。
森岡:今年でちょうど創業190年ですね。それはすごい歴史です。まさにアメリカを代表する老舗と言えますね。
小暮:アメリカの南北戦争で、北軍の兵士にウールブランケットを支給したのがウールリッチですからね。原料から製品まで一貫生産する会社として発展し、ハンティング用のジャケットやシャツなどが多くの人たちから支持されたブランドです。
森岡:そういえばウールリッチは、赤と黒のチェックのウールシャツでも有名でしょう。
小暮:「バッファローチェック」のウールシャツでしょう。デザイナーがバッファローの群れを飼っていたことに由来するチェック。アメリカだけでなく、世界中のアウトドアーズマンに愛された名品です。