国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」




もう一つ慣れが必要なのは、日本の道路事情で運転する時だと思う。全長5300mm、全幅1970mmの大型ボディを、特に都内の狭い路地で走らせるには、空間感覚をしっかり持っていなければならない。でも、アルファードとほとんど変わらない最小5.6mという回転半径が、それを救ってくれる。

乗り心地重視で「走り」はいかに?


さて、走りはどうなのか? 新型グランエースのシャシーは、海外版ハイエースの車体を採用し、乗り心地重視ということで、リアサスペンションをコイル式に変えている。やはり、これだけ大きくなると、リアのシートに座る乗員のコンフォートも大切なので、路面の凸凹をしっかりと吸収するサスペンションが必要だ。

同車はモノコック構造という、まるでスポーツカーみたいな作りだ。そして、後輪駆動である。モノコックと後輪駆動と聞くだけで、その意外性から、僕と同様グランエースに興味を持ってしまう読者もいることだろう。

プラドでも採用している2.8Lのディーゼルターボを搭載し、6速ATと組み合わせている。不思議なことに、2700kgという車重に対しても、パワー不足を感じない。1500回転からじわじわと加速し、3900回転あたりまでスムーズに吹き上がる。やはり、後輪駆動だからこそ、パワーの伝達も自然だし、コーナーに入る時のステアリングも手応えが良い。さすがに、これだけクルマが大きくて重いと、いつもより多少早くブレーキを踏みはじめることをお奨めする。

このゆったりサイズと高級感溢れる大型ミニバンを650万円で買えるなら、かなりお得と感じる顧客も少なくないはずだ。だから、売り切れなのだろう。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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